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第二話 はぐれ者
一人でそんな暮らしをしていた私だが、
もともとは、ある盗賊ファミリーのメンバーだった。
商売しながら盗賊稼業にも手を出すというやつらが多かったけどうちのファミリーは盗賊専門で、生まれる前から盗賊。
私もずっと盗賊として生きることに疑問なんて無かった。
でも、ある日私は盗賊なんかやめたいと
思うようになった。
きっかけは妹の死だった。
病死と言われたが、私に言わせれば過労だった。
そして誰も彼女の死を悲しんでいないように見えた。
後から思えば、私だって他の人から見たら
悲しそうに見えなかったかもしれない。
でも当時の私は、悲しいのは自分だけだと思った。
ナイフと寝袋・着替え・食べ物を持って私は
アジトから抜け出した。
今思えば当然のことだけど、私はすぐ生活に困った。
食い物も見つからないし、行くところもないし。
帰るのもシャクだし。
結局、私はタダの弱い
はぐれ盗賊になった。
そんな時に、あいつは
やって来た。