第十九話 根負け
…背中が暑くなって目を覚ました。
「あっちー」
真っ暗だ。
夜中か?
私は寝ぼけたまま
あつい物体を足で押しのけた。
どさっ…。
どさっ…。
なにか床に落っこちたようだ。
まあいいや。
寝よう。
で。
翌朝。
私はベリーのやつに叩き起こされた。
「ちょっと~!なによこれ~!
起きなさいよ~!」
「うーん…」
私は昨日のガキ騒動で
今までの人生の疲れがどっと出たんだよ…。
もう少し寝させてくれ…。
「なにモグモグ言ってんのよ?
ぜんぜん聞き取れないわよ~?」
私は一生懸命しゃべったけど半分眠っているから
言ったことがちゃんとした言葉になってくれない。
私が小さく丸まっていると
「まだ眠いみたいだからあとでいいよ」
リュウの声がした。
そうそう。
その通り。
「も~。
かわいい女の子たちを
ベッドから突き落としておいて」
ベリーが言った。
え?
女の子?
誰それ?…
「あ!あれか!」
私は急に目が覚めた。
あれだ。
夜中に私の背中をあっためていた謎の物体。
それは女の子だったのか!
そして今の状況でこの部屋にいる子どもといったら
例のガキ二人しかいない…。
「あいつらだったのか!」
怒りで眠気が吹き飛んだ。
「そうよ~。とんでもない人でごめんね~」
ベリーが笑いながらガキ二人に謝った。
謝る必要ないのに。
勝手についてきたんだから、部屋に入れてあげる必要もなかったんだ。廊下で寝させればよかったのに。
「なんで私にくっついて寝てたんだよ。
勝手に他人のベッドに入ってきたんだから
押し出されてもしょうがないだろ」
「ひどいわね~。こんなかわいい子たちに
床で寝ろっていうの?」
「かわいいとかいう問題じゃないから。
それ言うならベリーが自分で
一緒に寝ればよかったんじゃないの?」
「パパと一緒がいいって言うから、ね~」
ねーじゃない。
ベリーはいつの間にか子どもの味方になっていた。
でもしょうがないか。
私はあきらめた。
ベリーも私も、リュウの旅に勝手に
ついてきただけ。
リュウが子どもたちの参加を認めたなら
そいつらも、すでに仲間なのだ。




