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第十六話 子ども

ベリーが買い物を済ませて戻ってきた。


「食べ物と、古着を買ってみたの。

私たち、ちゃんとしたかっこうもできる方がいいかと思って」


私の服は、今度は男物だった。


「よく気がついてすごいな」


私がそう言うと、ベリーは


「少しは私も役に立たないとね」


と言って微笑んだ。

まだまだお金があるし、いい服が手に入ったから

今日は三人でいい宿に泊まることにした。


宿に向かって歩き出し、それとなく後ろを見たら

五才か六才くらいのきたないガキが

二人、私たちのうしろをトコトコ歩いている。


私は、市場で私がリュウのサイフを取り返したとき、

あのガキどもが近くにいたことを思い出した。


「あのさ、あいつら市場にいたよね。

例の野次馬の中にさ。

なんでついてくるんだろう?」


「いたかもしれないけど僕は覚えてないよ」


リュウとそんなことを話していたら


「なぁに?どうしたの?」


ベリーが不思議そうな顔で聞くから

かんたんに説明した。


「あぁ…なんか知らないガキが二人

市場から私たちのあとを

つけてきてるみたいなんだよね。

なぜだかわからない」


「え?」


ベリーは一瞬振り返った。


「あの二人?

たしかについてきてるわね。誰かしら?」


「知らねぇよ」


「じゃあ無視すればいいのよ」


「そうだよな。きっと、何かくれると思ってるんだ。

早くあきらめればいいのに」


私たちはガキを無視したけど

やつらはずっとついてきた。

足音が途切れないからわかるのだ。


裸足のペタペタいう足音だ。

私はだんだん、そいつらが亡霊か何かのような気がして怖くなってきた。


だけど、お化けのわけがない。

さすがに建物に入れば、あきらめて帰るだろう。



さて、宿に着いた。


「おぉー!いい宿だ」


私も思わず歓声をあげるほどの

立派な宿だった。


「すごいね。

こんな豪華なところに泊まれるとは

思わなかったよ」


「街の人に紹介してもらって

正解だったわね」



私たちは、勢いよく正面の扉を開けた。


「わぁ広い」


意気揚々と中に入ろうとしたその時、



「パパー!」

「パパー!」



えぇ!?

なんだそれ!?


二人のガキが私の脚めがけて

突進してきたのだ!

しかもパパとか言った。


「やめろ!」


ガキ二人に飛びかかられた勢いで

私は宿の中に倒れ込んだ。


ガキが死んでしまうといけないので

投げ技をかますわけにもいかない。

私は反撃もできず悔しかった。


「パパー!」

「つかまえたー!」


「私はパパではない!」


なにが…なにがつかまえた、だ!


「グレン、大丈夫か?」


リュウが駆け寄ってきて心配そうに覗き込んだ。

ベリーはびっくりした様子で固まっている。


宿の人もあぜんとしている。


「人違いで、いい迷惑だよ!」


と言いながら私は立ち上がった。


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