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第十四話 実在する浜辺

「それでおしまい?」


「うん。

でも、呪いを解く方法が

何かあるはずなんだよ」


リュウがそう言うと、ベリーは

目を輝かせて


「きっと恋がキーワードだわ!」


と言った。


「あんたが生け贄になればいいのかもね」


私が突っ込みを入れると、ベリーは

ぷっと頬をふくらませた。

ジョークだと思ったようだ。


「それより、その伝説はぜんぜん有名じゃないね。

なぜだろう?」


私が言うと


「やっぱりお話に悪い人がたくさん出てくるから人気がなかったんじゃない?」


とベリーは言った。


「女の子は死ぬし、英雄は宝を捨てちゃうしね。

ドラゴンも死ぬし、誰も得してないね。

他の地域では有名な話じゃないかもしれないや。

この英雄ってのは、僕のご先祖らしいんだ」


リュウが言った。


「えーっ!?

リュウは英雄の子孫なの?

すごーい!」


ベリーがはしゃいだ。

うるさい。

リュウは相変わらず落ち着いているというかぼんやりしている。


「すごいの?

僕は偶然生まれてきただけだけど。

で、話は戻るけど宝が沈んだ場所ね、

これはずっと架空の場所かと思っていたんだ」


「うん」


「だけど、このあいだ兵隊に志願して初めて

実在の海辺だとわかったんだよ。

僕が宝を見つけるのは運命なのかな」


「どういうこと?地図でも見たのか?」


「そうじゃないんだ。偶然、聞いたんだよ」


リュウと友達は入隊試験の待ち時間に

先輩兵士と少し話ができたそうだ。


そのとき先輩たちが、勝った戦の

自慢話を始めたらしい。



「舟で攻めてきた敵を、浜で

迎え撃った話を聞いたんだけどね。

青い砂の浜って言ったんだよ。

青い砂って珍しいだろ?

伝説の浜辺も砂が青かったんだ。

おばあちゃんが、真っ青な砂って言ってたんだ。

絶対、これは同じ場所だよ!」



真っ青な砂浜か…。

たしかに珍しいかもな。



「絶対あの伝説と同じ場所だー!って思ったから、僕、それどこですか?って詳しく聞いたんだ」


なかなかやるじゃないか。


「だから、この辺りだってわかったんだ」


リュウは地図を広げて多少自慢そうに

左端あたりをクルクル指で示した。

ベリーが覗き込んで頷いた。

こらこら、わかったふりをしちゃダメだぞ。


「でも、その浜辺はけっこう広いんだって。

だから、現地に着いたら

宝がどこに沈んでるか、怪しいあたりを

僕たちで探さなきゃいけない」


「そうなのね。誰かに先を越されないようにしなきゃね!」


と言ってベリーは、急に立ち止まった。


「あれ?グレン、リュウの妹じゃないわね?もしかして」


ばれたか。


「うん。偶然出くわしただけ」


「えーっ!すごい妹っぽかったのに」


「そう?」


「そうよ。びっくりした」


私は笑って終わりにした。

恋人を取り合うのは私の趣味ではないし。


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