表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

⭕ 夜の墓場で、かくれんぼ 1


 夏になると、だか無性に肝試しをしたくなる時がありますよね。


 肝試しは度胸試しに持っていな風物詩的な行事ですよね。


 これは田舎の場所で行われた “ 禁じられた遊び ” に参加した人達のお話です。






 小学生の頃から仲良し5人組だったサユタ,ノブト,タクマ,イツキ,ハルトは高校生になっていた。


 同じ中学校にかよっていた5人も選んだ高校はバラバラで、高校生になってからはなか(なか)会って遊ぶような事はなかった。


 しかし高校生になり、違う高校にかよっていても5人はラインで連絡を取り合っていた。


 5人にしか共有の出来ない現象が起きていたからだ。


 5人を苦しめる謎の現象が、5人の絆をより強固にしていた。


 高校2年生となったサユタ,ノブト,タクマ,イツキ,ハルトの5人は、夏休みを利用して田舎へ遊びにていた。


 中学に上がる前に他県へ転校してしまった友達が暮らしている田舎へやってたのだ。


 他県の田舎へ引っ越してしまったのは、ユタクだ。


 ユタクが小学4年生になった夏休み、父方の父親が亡くなった。


 遺産相続によりユタクの父親が旅館を継ぐ事になったのだ。


 ユタクは母親と共に父親の故郷であるさわへ引っ越したのだ。


 ユタクは憂鬱で仕方無かった。


 小学生の時に自分を()()ていた5人組が我が家(旅館)へ泊まりにるのだから……。


 ユタクが暮らしているのは我が家(旅館)の裏手にある離れだ。


 旅館にはユタクの自室があり、普段は旅館内で暮らしているのだが、5人と顔を合わせるのがいやなユタクは、敢えて我が家(旅館)の自室ではなく離れで寝泊まりをしていた。


 その日の昼は暑い日だった。


 サユタ,ノブト,タクマ,イツキ,ハルトは宿泊している旅館から離れた河原で水遊びをしていた。


 その中にユタクの姿はなく、5人は旅館に宿泊しているあいだ、ユタクに会った事がなかった。


 は祭りの日で、今日きょうも朝から村人達がのお祭りの為に準備をしていた。


 夜には花火も見られるとの事で、5人はに控えたお祭りが楽しみで仕方無かった。


 水遊びをしていると、もの謎の現象が5人を襲った。


 「 もう…いいかい… 」と耳元で囁かれるのだ。


 この「 もう…いいかい… 」に5人は8年間、1度も返答をした事がない。


 8年間、ひたすら耳囁きに耐え続けていたのだ。


「 まただ…。

  もう、いやだ!!

  一体まで声に悩まされないといけないんだ!! 」

ほんだよな!

  なんで俺達にだけ、聞こえるんだよ!! 」

「 …………8年前、隣町の公園で発見されてからだよな… 」

「 ……あぁ…。

  空き家に忍び込んで、“ かくれんぼ ” をしてた筈なのに……、かオレ達は公園で目が覚めた。

  お巡りさんに保護されて……家に帰った次の日から耳囁きが始まったんだ… 」

「 ユタクを囲んで問い詰めても『 耳囁きなんかしない 』って泣いてたしな。

  アイツ(ユタク)だって空き家で “ かくれんぼ ” をしたんだぞ!

  なのにアイツ(ユタク)だけ公園になかった。

  アイツ(ユタク)は空き家で隠れてたオレ達を探さないで1人で空き家から逃げたんだ!! 」

「 ユタクだけは──今でも許せねぇ!! 」

「 だけどさ、ユタクが引っ越すまでオレずっと、1人で帰りやがったユタクに仕返ししてたじゃんか 」

「 ユタクに色んなバツを与えたけど……結局さ、耳囁きは今も続いてるだろ? 」

「 …………ユタクの呪いか?

  ユタクにバツを与えるようになってから、耳囁きの頻度が増えた気がするんだよ… 」

「 ユタクが俺達への仕返しの為に呪いを掛けてるなら、ユタクに呪いをかせないとだよな 」

なんとかしてユタクに会えないかな?

  アイツ(ユタク)は旅館の亭主と女将の息子だろ?

  旅館にるならいやでも顔を合わせる筈だ。

  なのに1度もアイツ(ユタク)を見てないんだ。

  どういう事だよ! 」

「 …………故意にオレを避けてるのかも知れないな。

  オレはユタクを()()てたからな。

  顔も見たくないんじゃねぇの? 」

「 ………………あぁ…まぁ……そうだよな…。

  人に言えないような事とかしてたもんな…… 」

「 ……やっぱりさ、ユタクがオレ達を呪術とかで呪ったんじゃ……。

  今はさ、ネットで呪いの代行依頼が出来るらしいじゃんか 」

「 マジかよ?!

  ガチで効果あるのかよ?

  神社の木で藁人形に釘打ちするわけ? 」

「 いや、やり方は分からないけどさ… 」

「 なぁ、それ(呪い代行)やってみねぇ? 」

「 はぁ?

  やってみるって、オレがネットで依頼すんのか?

  オレの代わりにユタクを呪ってもらうのかよ 」

「 効き目があるかは分からねぇけどさ、面白くね? 」

「 でもさぁ、カネが掛かるだろ〜〜 」

「 お前は、ユタクを懲らしめたくないのかよ!! 」

「 ………………いや…、どっちかってぇと、懲らしめられるのはオレ達の方じゃないかな… 」

「 お前、腰抜けだな! 」

「 タクマ… 」

「 まぁまぁ、タクマもハルトも喧嘩すんなって。

  サユタ、どうする?

  ユタクの奴を呪ってみるか? 」

「 そうだな…。

  まぁ、いんじゃないのか?

  但し、無料のにしろよな 」

りょ

  ノブトぉ〜〜〜、スマホ(スマートフォン)貸してくり 」

「 バッカ!

  誰が貸すかよ!

  イツキ、お前のスマホ(スマートフォン)使えよ! 」

「 イツキ、俺のスマホ(スマートフォン)使えよ。

  言い出しっぺは俺だからなら 」

「 おっ、サンキュー。

  タクマ♥

  じゃあ、早速、呪い代行の依頼しちゃうなーーー♪ 」


 イツキがタクマのスマホ(スマートフォン)を使い、ユタクへの呪い代行依頼を済ませたあとも、5人は河原で水遊びを続けた。


 日が暮れ出した頃、5人は河原から離れると旅館へ向かって歩き出した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ