わんこは先輩がお好き
「せんぱぁーい!お昼ご飯、一緒に食べませッ、〜った!」
のんびりとした声が教室に響く…と同時に鈍い音も響き教室内がざわ付いた。
クラスメイトが口々に慰めの言葉を掛け早く行ってやれと俺を急かす。
「分かった!分かったからステイだ!」
俺は凍らせた麦茶のペットボトルと財布を出ししゃがみこんだソイツの赤くなった額にペットボトルを当てる。
「うぅ…先輩ぃ…」
キュンキュンと今にも泣きそうなそいつの腕を取りさっさと教室を出る。
クラスメイトの生暖かい視線を振り切り向かう先はいつもの人気の無い空き教室だ。
俺は鍵を開けするりと教室に入るとソイツは少し警戒しつつ潜るように入って来た。
「おっ、今度は頭…打たなかったな。偉いじゃねえか」
揶揄う様に声を掛けると"そんな事言うならお弁当あげませんよ!?"なんて俺には到底届きそうに無い位置まで弁当袋を持ち上げた。
(弁当人質にされちゃしょーがねぇな…)
「悪かったって。一緒に飯食うんだろ?
自慢の俺だけの弁当食わせてくれよ…な?」
ソイツを見上げ困った顔で頼み込む。
「っ……!」
ガタンッ
その音が弁当が乱雑に置かれた物だと気付いたのも束の間、大きな手に顎を取られ唇が合わさる。
突然の事に驚き腹を押すもびくともせず逆に背中をもう片方の手で抑えられ、更に口内を暴れ回る厚く大きな舌に思考を掻き乱され…全身がガクガクと震える。
くちゅ…ちゅ…
粘りを伴う水音に頭が焼け焦げそうで抗う気力もドンドン失せた頃やっと口を離された。
ハァハァと息荒い二人の間には透明な糸が引き…ぷつりと切れる。
ゆっくりと大きな体に包み込まれ安堵感と抑えきれない興奮で涙が1筋溢れる。
「ねぇ…先輩……。ご飯より先に食べていい?」
「ぁ…っ」
つむじにキスをされソイツのがゴリゴリと当たり兆し始めた頃脚を潜り込まされたらもうNOなんて言える訳がなかった。
「はっ、いいぜ?来いよ。
デケェのは図体だけじゃねぇだろ?」
「先輩…最高!」
ガクガクと震える身体を抑え精一杯誘うと真っ赤になったソイツが俺を机に押し倒した。
その後、午後の授業を全部サボってしまいブチ切れ教師から補習にも泣かされるハメになった俺達だった。