第6話 その頃マイン城では①
「最近やけに城がほこりっぽくないか」
周りの環境なんぞここ何年も気にしたことはないはずなのだが…
「王様。城内の掃除に関しましては我が騎士団兵にさせておりますのでご安心下さい。もう少し時間をいただければ、清掃員なんかより素晴らしい環境を提供いたします」
眼前で騎士団長が片膝をつきハキハキと答える。
「ほう。そこまで言うなら楽しみだな。期待しておるぞ!ところで兵の補充は進んでいるのか?」
「はい!あの使えない清掃員を追放したおかげでたくさんの兵士を雇うことに成功しております。あとは戦略を組めば魔王軍の幹部であろうとも、根絶やしにするのは造作もないことです。いずれは魔王でさえも敵ではありません!」
「よくぞ言った!期待しておるぞ!」
騎士団長は堂々とした足取りで部屋から出て行った。
部屋は静寂に包まれる。
「おーい、誰か使いのものはおらんか?」
一言声をかけるとすぐさま召使いが部屋にやってくる。
「王様。何かご用でしょうか?」
「うむ。そういえば清掃員だったシンは追放された後どのようになっているか知っているか?」
「はい。シンは追放後、あてもなくさまよいはるか遠くの地にいかれました。方向的にはメチャキタナの方だと思われますが…」
召使いは表情一つ崩さず淡々と話す。
「メチャキタナか…確かあそこは全てを失った者が集まる成れの果てのような場所だろう…ホームレスなんかもたくさんいるとか…」
「はい。冒険者もほとんどおらず、いてもほとんど業績はあげておりません。それどころか受注したクエストを達成できず蒸発する者も多く、そのためかギルド登録さえ1人ではできない状況です」
「なるほどな。そんなところでシンは生きていけるのだろうか。まあどうせあいつは冒険者なんてやらないだろうな。なんせ戦闘経験なんてないただの清掃員だったのだから」
「おっしゃる通りです。使える魔法と言っても水くらいでしょうし。そもそもその水魔法も掃除のためにしか使用しておりませんので…」
そんなやりとりをして召使いは部屋から出て行った。
シンには悪いが今は兵力を上げることが最優先事項だ!
ヘックションッッッ!!!
やはり最近ほこりっぽい気がするな…
「こいつ未熟だが応援してやろう!」
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