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第10話 アイスエイジ

のどかな街外れの川沿いでクライネが一呼吸をして目をかっと開く。


「いきますよ!アイスエイジ(氷の時代)!!!!」


クライネの突き出した手の近くから川の水がみるみる凍っていく。


一瞬の内に目で見える範囲の川はカチカチに凍ってしまった。


「おー、スゲー!これが氷属最強のシュネー族の力かよ!」


「ほらシン、私の目にくるいはなかったのよ!」


「何でティアが得意そうしていんだよ!」


「私の手にかかればこんなもんですよ!」


クライネはひと仕事終えたような達成感で満ち溢れている。


「これなら申し分ないな!クライネ!これからよろしく頼むな!」


クライネとアツい握手を交わす。


「クライネ、私もよろしくね!」


すかさずティアも俺に続く。


グゥ〜


3人のお腹がいっせいに鳴った。


そろそろ残りのお金も少なくなってきた。


「よし…ではさっさとクエストクリアして、その報酬で今夜の晩飯は豪華に行こうぜ!」


「「賛成〜!」」





「ところでシン、今回のクエストはどんなものなの?」


あんなに乗り気だったティアは早く帰りたいと言わんばかり表情で見つめてくる。


「今回は難易度☆☆☆の巨大なムカデの退治だな!っておいティア!何帰ろうとしてるんだよ!」


帰ろうと背を向けたティアのローブのフードをしっかりと掴む。


「ムカデなんて無理よ。小さいのだって気持ち悪いのに巨大だなんて絶対に無理よ!」


「大丈夫ですよティア、私の氷魔法があれば一撃で倒せますよ!」


自信満々のクライネ。


「おっ、頼もしいじゃねーか!」


嫌がるティアを連れて俺たちはクエストに出発した。


結構な時間歩いて街からある程度離れた森の中へやってきた。


「ねぇシン、そもそもなんでこんなところに巨大ムカデがいるの?」


「クエストの情報だと、昔魔王がペットとして飼っていたムカデを柵にとらわれず育てたいとこのとでこの森に捨てたとかなんとか…」


「なんでそんな放牧感覚でモンスターを放し飼いにしてるのよ!」


「まあ心配すんな!こっちには新しくクライネが仲間に加わったんだ!問題ないだろ!」


「ええ、そうですとも!任せて下さい!」


自信満々のクライネ。


まあ、あのレベルの氷魔法が使えるなら余裕だろうな。


ずんずんと森の奥に進んでいくとティアが何か見つけたようだ。


「ねぇシン、あの岩すごくデカくない?」


ティアに指さされた方を見ると、確かに周りの木と同じくらいの高さの岩がでんと構えている。


「たしかにすごいな。しかもこの辺はかなりひらけている場所だな」


「シン、そういえばムカデは岩などの下によくいるのではないでしょうか」


クライネはゴクリと唾を飲み込みこちらを見てくる。


「そうだな…」


ドドドドドドドドドッ


突然岩の下から体長20mはありそうな巨大ムカデが姿を現した。


「「「でたー!!」」」


姿を現したムカデは獲物を見つけたと言わんばかりにこちらに向かってくる。


「まだあいつとは距離がある。クライネ!アイスエイジであいつの動きを止めてくれ!その間に俺が一気に決めるっ!」


「そ、その件なんですけど…氷魔法は使えません」


俺とティアは一瞬耳を疑う。


「今何て言った?」


「だから氷魔法は使えないといったんですよ!!」


「「はぁー!!」」


ムカデはこちらに向かって突進してくる。


「ひとまず避けるぞ!」


間一髪のところで各々ムカデの突進を交わす。


「あぶねーって、どういうことだよ!さっきはあんなにすごいの見せてくれたじゃないかっ!」


「あれは凍らすための水があったからですよ!水がないと氷は作れませんからねっ!」


クライネはこちらに親指を立ててウインクしてくる。


「バカっ!それならそうと早く言ってくれよ!俺たちはてっきりどこでも氷を使える物だとだとばかり思っていたんだぞ!」


「どこでも使えるのは本当ですよ。基本的にシュネー族ほ水魔法も使えますから、水を生成した後それを凍らせてどこでも戦うことができます!」


「じゃあクライネも水魔法を使えばいいじゃないか!」


ドドドドドドドドドドドドッ!


「避けろっ!」


再度ムカデの突進をかわす。


「残念ながら私には水魔法のセンスはなかったんですよ…」


再度こちらに親指を立てる。


「じゃあ単独では氷魔法は使えないってことか?その辺の大気の水分を凍らすとかじゃ無理なのか?」


クスクス


「笑わさないで下さいよ!大気中の水程度を凍らしたって何の役にも立ちませんよ!」


「てめー!この嘘つきがーっっ!」


「嘘はついてませんよ。川沿いや海沿い、もしくは大量の水を生成できる人がいるならそれに応じた氷魔法を使えますから」


「謎が解けたわ!どおりで誰もお前を仲間にしないわけだ!ん…待てよ、水さえ出せばあとはいい感じにできるのか?」


「ええ、水さえあれば氷魔法では一族でも私の右に出るものはいませんよ!」


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ


またもムカデの突進をなんとかかわす。


このまま交わしていてもいずれこちらの体力が底をつくは目に見えている。


「なら、俺が水をあいつの全身にかけるからそうしたら凍らすのを頼めるか?」


「ええ、もちろんですよ!」


「ねえ!2人とも何話してるの?」


ティアはムカデの突進を避けるので精一杯って様子で全然話を聞いていない。


「ティアは避けることだけに集中してろっ!」


ムカデが再度こちらに向かって突進してくる。


「行くぞクライネっ!ゴッドクリアランス(神の清掃)!!」


ザバーン


水が波のごとく押し寄せてムカデ全体を飲み込む。


「今だっ!クライネっ!」


クライネはこくりと頷く。


「行きますよ!アイスエイジ(氷の時代)!」


ピキーン


一瞬の内に水は氷に変化し、波の中に閉じ込めたムカデもまたカチカチになっている。


パチンッ


バキバキバキバキ


クライネが指を鳴らすと氷は音を立てて粉々に割れて巨大ムカデは跡形もなく消え去った。


「す、すごいなクライネ…」


「いえいえ、シンもこれほどの水量を扱えるなんて相当の水魔法の使い手ではないですか?」


「いや、俺は今まで掃除のためにしか水魔法を使っていなかったからよく分からないんだ…」


「2人ともすご〜いっ!私感動しちゃった!」


ティアが俺とクライネに抱きついてくる。


「まあなんとか勝てたが一時はどうなるかと…」


「まあまあシン、勝てたからいいじゃないっ!」


「そうですよ!結果オーライです!」


「クライネは少しは反省しろっ!」


やれやれ、元清掃員と使えない美少女と水がないと氷魔法を使えない美少女…


こんなので大丈夫なのか俺のパーティーは…










「こいつ未熟だが応援してやろう!」


と言う気持ちが少しでもあれば


広告の下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします!


星1つでもめちゃくちゃありがたいです!


また、「仕方ないけど続き読んでやるよ!」


と思いましたら


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