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怠惰な王太子は王位をぶん投げる

作者: 黒猫

設定ガバガバだが、読んでくれると嬉しい(^^)


「エカテリーナ!君との婚約を破棄する!」


ふ、決まった!

そう、これはいわば自由への序章。俺が王位をぶん投げる、はじめの一歩だ。


ちなみに今の状況は横に可愛らしいがなかなかに戦略的かつ狡猾なナタリーを侍らせ、卒業パーティーという大舞台で無様な真似をさらそうとしているところだ。

しかしだ、ナタリーちゃんは少し爪が甘い。男を籠絡させるならもう少しエカテリーナちゃんへの敵意を収めるべきだな。


なんて、こんな状況でも俺は思考をやめない。

やっと、やっと自由を掴めるのだ。


そう、俺はこのナタリーちゃんを利用して俺が皇太子のこの皇国からの追放を狙っているのだ。

長かった。長かったよ…。最初から俺狙いのナタリーちゃんをその気にさせ、俺に依存させるのは簡単だった。しかし、そこからだった、本当に大変だったのは。周りにはぎゃいぎゃい言われるし、俺の仲間は計画を知っていても拗ねるし。というか、拗ねられるのが一番大変だった。髪ちぎられるところだった。あ、噛みちぎられるの間違いじゃないよ。こう、本当に頭髪からイカレるところだった。泣

髪が千切られた一般市民て。もはやホラーすぎて誰も近寄らねーよ。俺はスローライフを行きたいの。

そんなこんなでニヤニヤした演技を忘れずにエカテリーナちゃんを見る。え、めっちゃイライラしてる。てか、俺殺されそう?


バキッ


ひぇ、扇子折れたぁ。あれ?あの扇子俺が昔やったやつじゃね?あ、これ俺もやられますわ。こう背中からボキッと。


「ライ王子…?お遊びにしては度がすぎてましてよ?」

こめかみをヒクヒクさせながら俺に言う。えぇ…、お遊びに見えるのぉ…?


「お、お遊びじゃないさ!俺はナタリーと幸せ(自由)を掴むんだ」

「そうです!ライ様は私を愛してくれてます!どうか私たちを許してください!」

お!怯えることなく意見してる。この子以外に使えるかもな。これ終わったらどっかいい働き場紹介してやろう。あの工場とか良かったな。ちょうど秘書ほしいって言ってたし、あのクソオヤジ。


「許す?許すですって!?許すわけないじゃない!私はライ様1番なのよ!ライ様こそ至高!ライ様抜きの生活なんて考えらんない!ふざけないで!」


…?あれ、なんか怖いくらい崇拝されてる?気のせいだよね。気のせいだと言って!


「ライ様こそ至高!当たり前です!ライ様は私の命の恩人で、唯一の人です!私はライ様が生きていれば幸せなんです!」

おっとぉ…。隣にも信徒(伏兵)がいたぞぉ…?

「くっ!」

そして何にダメージ受けてんすかエカテリーナさん。

もはやエカテリーナさんだよ。さん付けじゃないともう呼べないよ?え、こわ。

え?俺わりとダメ王子演じてきたよな?俺ちゃんとやったよ?勉強しないし。さぼるし。わがまま言うし。


それから少しの間、俺のいいところ自慢が始まった。恥ずかしすぎるので割愛させていただく。だって!どうでもいいだろう!?木の上で昼寝して落ちそうになっているところがかわいいとか!(厨二病を発症中)途中殺してくれって内容まで出てきたし。


俺は訳もわからず涙した。あれは毎夜泣く。もうやだ。おうち帰りたい。だがしかし!これも作戦のうち!これだけダメ王子であれば廃嫡されるはず!


バッと俺の父母、つまり王と皇后を見る!

もはや俺のライフは0よ!少し涙目になっているのはご愛嬌。


「こ、こほん!ライ、並びにナタリーよ。お主らの願いは聞き届けられん!」

「な、なぜ」

え、なんで?ここは諭してそれでもわからずやの俺が廃嫡される流れでは?


「それは私が説明しましょう。ライ」

な、なんで、なんで


おばあちゃんがぁぁぁぁ!?


「ライ」

「…はい」

やべぇ!おばあちゃんはめっちゃ俺を理解している!やばいやばい!ばれる!


「そこまでして逃げたかったですか?」

「…」

周りは静かだ。たくさんの貴族がいる。まして庶民も参加可能な卒業パーティー。俺の真意をしられるのはきつい。でも、もう素直に話した方がいいのかも知れない。


「はい、サザランカ侯爵閣下」

俺は王家が絶対にしてはならない礼をとる。これは俺の最大の敬意だ。


「はぁ、わかったわ。しかし、あなたを皇国からは出せない。あなたは私たちにとって至高の人間よ」


こうして礼をとらせるのも本来なら万死に値するわと言われた。え、おばあちゃんもそっち側?


そうして立ち上がり顔を上げた瞬間。

ぽんっ!

『ライ〜!』

「うわ!ミシュラン!」

花びらを散らせながらきた狐のような小動物を受け止める。え、なんでここにいんの?


その瞬間、王家全員が礼を取った。王までもが。

次の瞬間、貴族たちも戸惑いながら礼を取った。

え、何が起きてるん…?


「え、なんっ…」

戸惑う俺をよそに王が話を始めた。

「ミシュラン様。ご機嫌麗しゅうございます。この度は我が息子ライの茶番にお付き合い頂きありがとうございます」

茶番?えーっと?ミシュラン様?

「どゆこと?」

俺は困惑しながらミシュランを見る。

『ライ!ライが悪いんだからね!僕たちの住処から離れて別の場所で生きようとするから!』

え?どゆこと?

「ミシュラン様。まだ息子は現状を理解していないみたいです。説明してもよろしいでしょうか?」

『うん!お願いするね!』

ちまちま動く足がとってもキュート!って言ってる場合じゃねーな。

「はい、かしこまりました。ライ、ミシュラン様は聖獣だ聖獣については知っているだろう。お前は頭がいいからな。王族にしか見えないという御伽噺も知っているだろう」

それは聞いたことがある。聖獣は民には見えず、王族のみに姿を見せる。と小さい頃に乳母に聞いた。だからミシュランは聖獣ということも、王族にしか見えないというのも知っていた。


「はい。しかし、それがどうしました?」

心底わからずに首を傾げる。


貴族たちはざわめくばかりで何も言えない。


「聖獣はな、実は王族の中でも認めた相手にしか見えないのだ。つまり、お前は聖獣に認められているほど魂が清らかであり、人並外れた力を持っていると言うことだ」

「はえ…?いやいや、そんなはずは」

ない、と言おうとした瞬間、わっとたくさんの聖獣に囲まれた。

「うわわ、マシュラム!?カラムリ!?それにみんなも!?」


口々にみんな何か言っているがいかんせん数が多い。頭痛くなってきた。


「ちょ、ストーップ!まってまって、わけわからん。なになに、つまり俺がしてたことは無駄ってこと!?」


聖獣たちは全員きょとんとした顔をして答える。


「「その通り!」」


なんでだー!という叫び声が皇国中に届いた。


その後、聖獣に愛された歴代最高の皇子により国はよりよく発展していったと言う。


ただ一人、執務室で沢山のもふもふに囲まれながら仕事をする皇子はどことなく不服そうだった。


「自由を求めたのに、どうしてこうなった…」

「ライは僕たちの!だからだよ!」

「わたしのでもありますわよ、聖獣様」

「あ、ずるいです!私も!ライ様私も!」



「はぁ…」






ライさんはいつか必ず逃げようと思ってます。さぁ、逃げれるかな?

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