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有力貴族三家の次期当主が同学年にそろっているという話を聞いたのを思い出しながら勇者はクラスの面々を観察していた。


そんな偶然とその話を聞いた時疑問をもっていたが、リリィは偶然ではないといっていた。たしかに年は近い、だがどうやら三家が結託し入学を合わせたという事らしい。表面上は次期当主同士の親睦を深めるため、しかし実情は学生のうちにカーストをはっきりさせたいという事らしい。きな臭い話である。


『そろそろ答えがわかった人はいますか??』


どうやらシンキングタイムは終わったようだった。しかし誰も手を上げようとしない。見兼ねてマリア先生は指名をした。


当てられた生徒、先生がルージュと呼んだその人は名前の通り真っ赤な髪が特徴的な不健康そうな女の子だった。この世界でもルージュで赤が連想されるかは定かでは名前負けしない美しい赤髪とそれに引けを取らない美貌を持ったルージュは指名を受けるとすぐ


『他の五大要素への干渉が可能がどうか。』


即答だった。周りは答えに対し『なるほど!』『俺わかってた!』『嘘つけ!』などと近くの人とその答えを聞き話が盛り上がっているが誰一人としてその答えが違うと認識している人はいなかった。


『さすがは魔法に秀でたウィルト家のご息女様ですね。正解です。一番簡単な例を挙げるとエナの濃い場所では魔法が発動し難いですよね、端的にいってしまえばこの現象もマナへの干渉なのですが、そーいった場所で魔法を発動させた場合を思い出してくだい。必ず思っていたよりも弱いものしか発動しませんよね??これがエナによる効果範囲への干渉です。』


この説明でクラスのすべての生徒は理解を示していた。勇者を除いては。


『しかし逆に属性、効果範囲、効果時間は他の要素に干渉することはできません。これがマナ、エナとそれ以外の違いです。』


すると1人の生徒が質問をした


『でも火の魔法の効果時間を伸ばしたら燃える範囲は広がりますよね?これは効果時間が効果範囲に干渉してるんじゃないんですか??』


『いい質問です。しかしその解釈は間違いです。その実体験は詠唱の時のことだと思いますが、その現象の本質はマナの漏れ込みだと思われます。わかりやすくいうと詠唱時のマナの変換のコントロールはとても繊細で効果時間を増やして発動したつもりでも一部は効果範囲へ漏れてしまっているのです。ですのでそのような現象がおこります。完璧にマナの変換をマスターしている人が行うと効果範囲への漏れは起こらず指定した範囲のみで火の魔法はちゃんと発動します。そしてこのような漏れ込みは魔法陣での発動ではおこりません。』


質問した生徒はいい質問といわれ喜んでいたのもつかの間、先生に遠回しにマナのコントロールが下手と言われ、中のいい友達にその事をいじられ顔を赤くしていた。


今朝の事といい、今回といいマリア先生は少し抜けているところがあるらしい。しかしそのふんわりとした雰囲気がその天然を許してしまう。かく言う勇者も今朝の事は今後の学生生活にとって大問題であるがあまり咎める気にはなっていなかった。ユリア先生はそんな魔性の女性であった。


『それではこれで魔法学の授業を終わります。20分後に剣術の授業を始めますので運動できる服装に着替えて演習場に集まってくださいね。』


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