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目指せ樹高634m! 〜杉に転生した俺は歴史を眺めて育つ〜  作者: 石化
現代

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第75話 私たちのアイドル活動!

 愛が相談を持ってきた。


 なんでも、いつの間にか輝夜の写真が流出し、人類史上最高の美少女として評判になっているようだ。

 そりゃそうだ。


 輝夜のルックスは人類最高だぞ。


 なめるなよ。これまで何千年人類を眺めてきたけど、輝夜以上に可愛い女なんていなかったぞ。


「恥ずかしいから、そこまでにして⋯⋯。」


 輝夜が真っ赤になってる。


「いや、俺は俺の思っていることを正直にだな。」



「はいはい。ラブコメはそれくらいにしてください。問題はこの写真がかなりの騒ぎを引き起こしていることです。」


 愛に止められた。冷静だ。


「騒ぎって?」


「いつもにもまして観光客が増えています。ご主人さまだけでなく輝夜目当ての人も多いようです。」


「なんか騒がしいなと思ってたらそれか。」


「さらに、いくつかのアイドル会社が、噂の美少女に懸賞金をかけました。」


「まじか。」


「まじです。輝夜が出歩く際には誘拐に注意しないといけないでしょう。」


「何か対策はないの?」


「それなんですが、これはご主人様にも相談しなくてはと思いまして。」


 愛の話はこうだった。


 敷島にアイドル部門を設立し、輝夜をそこからデビューさせる。


 知名度がある程度ついたら引退させれば良い。


 こうすれば、他のアイドル会社は手を引くだろう。


 今はここに集まっている注目もある程度は逸らせるはずだ。



 なるほど。ツッコミどころはある気もするが、一応筋は通っている。


「どうして俺の許可がいるんだ?」


「輝夜はご主人様の恋人でしょう? アイドルは不特定多数の目に晒されますから。」


「気を使ってくれたのか。」


「はい。あとは、輝夜の気持ちもありますけど。」


「⋯⋯私はやってみたいわ。今回のは私のミスだし。アイドルって、キラキラして輝いていたもの。」


「俺は、どうなんだろう。」


 俺は考え込んだ。


 輝夜がみんなの前で歌って踊る。

 とても誇らしい反面、俺だけの輝夜でいて欲しいという気持ちも芽生えてくる。


「活動はどれくらいにする予定なんだ。」


「4年ほどです。」


「なるほど。」


 2009年くらいまでか。うん。その程度なら、良いだろう。


 輝夜が頑張っている姿を、俺も応援したい。


 アイドル衣装も見てみたいし。


「わかった。輝夜、頑張ってこい!」


「もちろん!」


 輝夜は花の咲くような笑顔を見せた。



 ●


 2005年は秋○康がAK○48を立ち上げた年である。


 それまでになかった大人数アイドルというジャンルで、先行きは不透明だった。


 だが、これが愛の目に止まる。

 輝夜をプロデュースするとはいえ、あまりに目立って仕舞うのも問題だと考えていた彼女にとって天啓のようなアイディアだった。


 彼女はAK○の情報を探っていく。そして、真似しても構わないと判断できる要素は真似することにした。


 多人数アイドルの特許など、バカバカしくてとっていられない。


 愛に調べられる程度の情報管理能力しかなかったのが悪いだろう。


 まあ、秋○康も本当に大事なことは漏らさなかった。


 愛ができたのは表面的なことをなぞることだけだった。


 とはいえ、資金力が違う。ついでに素材も違う。


 輝夜に張り合える人材がくるかどうかだけが懸念事項だったが、急ごしらえのオーディションだというのに大盛況だった。

 もっとも安定した企業として名高い敷島の元でアイドルを目指せるとなれば、応募が殺到するのも無理はない。


 プロデューサーがスカウトしてきた子もレベルが高く、心配なさそうだった。



 いつの間にか、ルナとミトが参加していたのは見なかった振りをした。


 二人ともオーディションを無事突破し、歌とダンスの練習に励んでいる。


 ただ、しれっと銀孤が紛れ込んでいたのには、流石にストップをかけた。


 一応ミトのおばあちゃんなのだからと愛は説教する。


 銀孤はしゅんとしていた。



 余計なトラブルはあったが、アイドル事業は軌道に乗り始めた。


 大企業VS中小企業という構図で、AK○と対立して報道されることが多いため、謎のヘイトを買っていたが、気にしたら負けだ。


 アフターケアも手厚かったため、アイドルたちのメンタルが壊れることはなかった。


 輝夜の露出が増えるにつれ、大和杉の周りの美少女ハンターたちは姿を消して行った。


 うまく彼女を獲得した敷島を羨む声は多かった。


 敷島のアイドル事業が輝夜を守るために開始されたということを知るものはいなかった。



 テレビへの露出も増え、CDの売り上げも凄まじい。


 何より輝夜の美しさがその人気に拍車をかけていた。


 彼女だけはおさわり禁止だったが、関係なかった。


 むしろ納得を持って迎えられていた。


 彼女に握手できるとなれば、列整備がうまく行かず暴動が起こってもおかしくない。


 未然に防いだ英断だった。


 そして2年という短期間で武道館を満員にするほどの人気を得た。


 ライブ映像の中継を杉の上で見る、小太郎、将門、銀孤、明、白。


 愛は調整役として武道館だ。


 輝夜、ルナ、ミトはステージ上で笑顔を振りまいていた。



 大和杉もペンライトを振って応援したかったが物理的に無理だった。


 仲間たちと見れるだけで良いと思ってほしい。



 武道館ライブも大成功を納め、輝夜たちはさらなる人気を獲得していく。


 不思議っ子のルナと元気っ子のミトもコアなファンがついていたことも言っておこう。







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