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目指せ樹高634m! 〜杉に転生した俺は歴史を眺めて育つ〜  作者: 石化
第四章 近代

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第63話 怪獣娘

 

 前回のあらすじ。怪獣娘の処遇を相談していたら神様がやってきた。



「俺たちはよ、原爆のことに関して強制的に勉強させられたんだよ。」


「意外ですね。そう言う新しいものには興味ないものかと。」


「まあ、俺も嫌だったんだが、イザナギ父上とイザナミ母上の命令だ。仕方ねえ。」


 割と親離れができていないようだ。想像できないこともない。


「あらかじめ警告できたのも、そのおかげだな。」


「なるほど。すごいですね。」


 相槌を打ちながら、将門がこっくりし始めたのを見てしまう。


 だめだ。彼にはこの話は難しすぎる。


 こっそり合図を送って、銀孤に連れていかせた。


 神様は良い気分で喋っていて気づかない。


 中間管理職は大変だぜ。



「で、ここからが本題だが。」


 神様は一旦言葉を切って俺たちを見渡した。


「なんだか人数少なくなってねえか?」


 首をかしげる。


「いえ。気のせいでしょう。」


 小太郎ナイスフォロー。


「そうか。まあいいや。」


 神様は細かいことは気にしない性格だった。


「とりあえず放射線って言うのは中性子線が一番危ないらしい。」


 すごい。あの神様がすごく意識が高そうな話をしている。


 俺は吹き出さないように気をつけながら聞いていた。



「こいつはなかなか止まらないからな。黄金でも無理だ。」


「そんな?!」


 輝夜がショックを受けていた。黄金で行けるとか考えていたのだろう。


「だが、こいつは炭化ホウ素で吸収できる。」


「炭化ホウ素ですか?」


「ああ。俺もよくわからないんだが、お前の一部を構成している炭素とホウ素を組み合わせればできるらしい。」


「よくわからないです。どんな物質なんですか。」


「B₄Cだ。」


 いや、化学式で言われても。


「まあ、大丈夫だろ、お前なら。放射線吸収服生成とか思い浮かべればいいんじゃないか?」


 なるほど。俺もやっぱりファンタジーだ。いけそうな気がしてきた。

 森人生成で人間作ったけど、その組成なんて何もわかってないからな。


 組成がわかっているのなら、もっと簡単に決まってる。



 ピコン。


 音がした。


 きた。開け! 機能ウィンドウ!


 何を強化しますか

 →耐火性


 樹高


 幹周り


 強度


 しなやかさ


 葉の数


 葉の鋭さ


 葉の射出


 根


 森人生成


 樹液生成


 細胞操作


 放射線吸収服生成 ”NEW"



 *光合成効率を変える際はここを押すこと。今の属性は陽です。




 どこを強化しますか


 →1〜100m


 101〜200m


 201〜300m


 301〜400m


 400〜500m


 500m〜600m


 600m〜


 樹高627m



 あっ。出た。すごいな俺。流石になかなかできるものじゃないだろう。


 よし、放射線吸収服生成だ。


 えっ、服の形? いや、よくわからないな。


 なんかこう、ぴったりしたものでいいんじゃないだろうか。


 これでどうだ。


 俺の前に服が出来上がる。


 ぴっちりした黒スーツだ。映画でよくスパイとかが着てるやつ。


 いや、これじゃない。これを想像したわけじゃない。


 こんな体型が出るような服を好むわけないだろう。


 神様と輝夜の視線が痛い。



「でも、これなら、この上から別の服を着せられますね。」


 黒スーツを拾った愛が言った。



 そうそれ! それをしようとしたんだよ。毎回同じ服ってのもかわいそうだからな。


 俺は必死で弁明する。


「私に作ってくれてもいいわよ。」


 輝夜は何言ってるんだ。


「俺も地味に欲しいな。」


 神様も何言ってるんだ。



 言われるがままにもう二つ作る羽目になった。


 目的と外れすぎだろ。



 神様は自慢してくると言って帰っていった。


 大丈夫かな。


 絶対に顰蹙ひんしゅくを買うぞ。


 イザナギのお父さんが殴り込みに来ないように祈っておこう。



 とりあえず、怪獣娘に着せてみた。


「ありがとー!」


 気に入ったようだ。

 くるりと一回りしてみせた。


 うん。可愛い。


 なんだか幼い頃の明を思い出す。この頃はすっかりできる女の雰囲気になったからな。懐かしい。


 あれは江戸時代の始めだったっけ。いや、戦国時代だった気もする。あんまり思い出せない。


 まあ、長かったし仕方ないだろう。人間には100年の記憶を保存することもできないのだから。



 とりあえずうちで面倒を見ることにした。


 白と明の子供も同じくらいの年だし、いい友達になることだろう。


 洗脳も悪い結果に繋がるとは限らないのだ。

 輝夜の方に洗脳しようとする意識があったかは微妙なので、働いていない可能性もあるし。


 ちなみに羽衣を身につけなくても、元の姿に戻ることはなかった。

 最適化は、その姿に固定する効果もあるらしい。なるほど。悪用できそうだ。





 そういえば、二人の子供って性別どっちだろう。聞くのを忘れていた。



「女の子ですよ。一回見せに来たでしょうが。」


 愛に怒られた。

 いやだってひ孫だし。

 子供だと性別よくわからないんだよなあ。


 そろそろ大きくなってきた頃だと思うし、俺の側で育ててくれると嬉しい。


 幼子成分に飢えてるんだ。


 いや、これは違うぞ輝夜。俺はだんじてロリコンというわけじゃない。信じてくれ。



 とはいえ、樹上が使えなくなったのは痛い。


 俺もみんなと一緒に暮らしたい。


 くう。体が大きすぎるのが問題だ。


 せめてあと100分の1の体格だったら⋯⋯。


 いや、6mも十分目立つな。


 それに動けないしな。



 あと、30年ちょいだ。


 神様に確認するのはまだしてないけど、そこまで行ったら、俺も人間に戻れるはずだ。


 そしたらみんなと楽しく暮らそう。


 そんな夢の話を輝夜と一緒にした。


 怪獣娘は、輝夜の膝で眠りこけている。


 そういえば、この子の名前も決めないとな。









4を小文字で書く方法がわからないです⋯⋯(方法はわからないですけど誤字報告で修正できていたので解決しました。なろうマスターの修正者の方がいる)


この子は背中に放射線を出す部位があるので顔は出てても大丈夫。

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