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目指せ樹高634m! 〜杉に転生した俺は歴史を眺めて育つ〜  作者: 石化
第四章 近代

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第49話 関東大震災

 

 日清戦争に日露戦争。明治が終わって大正時代。


 色々あったが、第二次世界大戦が気になりすぎてよく見ていなかった。


 基本的に心配いらないとわかっていたのもある。

 日本は日本としてまとまっていて、戦乱はなかったからな。

 外国のことはよくわからない。

 なぜか俺の持っている歴史知識に世界史の範囲はなかった。


 日本史なら割とわかるのにどうしてだろうか。



 気がついたら、女学生が着物に袴の大正ロマンスタイルで歩いている時代になった。

 大正ロマンいいよね。サクラ大戦とか最高だった。


 少しだけ気が紛れる。


 それに気づいたのか女性陣が着物に袴という姿になっていた。


 俺に気分転換でもさせようというのかもしれない。ありがたい。


 小太郎達も時代に紛れる服装だったから、そういうことなんだろうけど。


 で、だ。大正時代に入ったということは、何か忘れている気がする。


 第二次世界大戦の前に何かひどいことが起きたような記憶が⋯⋯。


 あっ!


 関東大震災があるんだった。


 日本の経済が大打撃を受け、日本が戦争に進むきっかけとなったあの大災害が間も無く起こる。


 あれ確かすごく揺れるんだよなあ。火事もひどいし。


 とはいえ、今回はこちらの戦力も充実している。

  呪術「氷雪」を使える銀孤と白がいるし、輝夜の呪術超級「氷雪」もある。


 そう、輝夜の技能がまた上がったのである。

 今の彼女の技能を見てみよう。


 輝夜

 技能

「黄金生成」

「全体自動回復」

秘道具アーティファクト生成」

「忍術超級」”UP”

「諜報上級」”UP”

「房中術初級」”NEW”

「軍勢召喚中級」

「全体麻痺付与中級」”UP”

「雲乗り超級」”UP”

「呪術超級」”UP”

「射撃上級」”UP”


 うん。凄まじいことになってる。白に教えてもらって、射撃すら上級まであげたみたいだ。

  というか、超級という単位があることに驚いたぞ。

 房中術が初級になってたのは見なかったことにした。何やったんだろ。


 もう一人ぐらい見てみようか。


 平将門たいらのまさかど


 技能

「軍勢召喚」

「霊吸収」



 特性「生者への呪い」


 うん。輝夜と比べるとかわいそうになってくるな。ゾンビだから新しい技を覚えられないんだろう。

  霊吸収はよくわからない。もともと持ってたっけ。


 とりあえず、心霊関係に関しては任せられると思う。俺は木だから、あんまり怖くないけど。


 逃げられないともいう。


 まあ、想像してみよう。髪の長い女が白装束で井戸の隣に浮いている。


 ⋯⋯うん。俺なら見下ろせるな。むしろ霊が住んでそう。

  サイズが違いすぎて怖いとかいう感情よくわからないです。



 というわけで、わりかし無能の烙印を押させてもらおう。


 なに?龍の首の珠があればいける?


 うーん。まあ、やってみてくれ。正直、将門がいる意味あんまりないからな。

  いや、白のお父さんとしては評価してるよ。




 ●


 ぐらっと揺れた。


 何度経験しても慣れない。


 今回は長い。何度か幹が揺さぶられる。なるほど、これは大きい。五重塔構造でなければやられていた。


 みんなには油断しないように周知していたので、全員無事だ。よかった。


 眼下の東京を見下ろす。

 大混乱だった。


 無軌道に増えた住宅は揺れでほとんど崩れてしまっている。

  あの賑わいはすでになく、混乱と狂騒が街を包んでいた。


 火の手が何箇所も上がる。地震に対する備えを忘れていたらしい。

  災害の記憶を継承するのは難しいから仕方ない。


 あっという間に燃え広がる。今日は風が強い。炎が強くなるのも仕方がないだろう。火災旋風と言うらしい。カッコいい。いや、シャレにはならないけど。



 熱風が吹き荒れている。南の軍の関係施設が特にひどい。


 俺も下はまだ耐えられるが、上の方が熱い。


 呪術を使える3人にお願いすることにした。


「「「呪術「氷雪」!」」」


 輝夜、銀孤、白の3人の声が揃う。


 おっきな氷が現れた。⋯⋯これ、このまま下に落としたらダメな気がする。

 熱いから少しは溶けるだろうけど、それだけではダメだ。


「明! 龍の首の珠の青弾を頼む!」


 確か、あれは水の力を内包した弾だったはず。


「わかったわ、おじいさま!」


 打てば響くようで、彼女は龍の首の珠を構える。

 五色に光る不思議な球形。


 そこから放たれた青色の弾は3人が生み出した大氷塊に直撃し、崩壊させた。


 バラバラに氷は落ちていく。青の弾は中で弾けて水となったようだ。


 小さくなった氷も炎で溶けて水となる。


 俺の周りに局所的雨が発生した。


 これで、炎の拡大は抑えられる。


 逃げ場を求めた東京の人たちがやってきたけど、まあ許そう。

  小太郎達は上の方にいるから見つからないと信じている。


 なおも火災は続く。終わることを知らないように東京の街を舐めていく。


 俺の近くに来るたびに雨を降らせてやった。


 東京大空襲の予行演習と考えればちょろいもんよ。


 火災は結局二日間続いたが、俺は無事に生き残った。

 輝夜達呪術使える勢を褒めとかないと。本当によくやった。えらい。



 東京大空襲にも希望が見えてきた。呪術「氷雪」さえ活用できれば守りきれそうだ。

  呪術は秘道具に頼らない撃墜手段として有用だから、戦闘機を壊す方にも回したいんだけど、流石にそれは望みすぎだろう。


 あくまで、目的は俺の防衛に限る。軍部が勘違いして降伏しなくなっても嫌だしな。


SSを挟んで戦争に行きます。

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