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目指せ樹高634m! 〜杉に転生した俺は歴史を眺めて育つ〜  作者: 石化
第三章 近世

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第34話 江戸の始まり


「おじいさまー。ただいま帰りましたー!」


明が名前の通り明るい挨拶をしてくれた。


「よく帰ってきてくれた。おかえり。」


俺は5人全員に言った。

100年ほどの別離だった。


俺が今まで生きてきた年数から考えると微々たる年月だ。

だが、寂しかった。みんな大事な仲間たちだと、再確認できた。


4人の顔を順番に見て行く。


小太郎は精悍な顔つきになった。北条の元でリーダーとして気を張ってくれていた証拠だろう。よくやった。


愛は優しそうな表情を浮かべることが多くなったようだ。親になったからだろう。


気を抜いたらすぐにでも小悪魔モードに移行しそうだから、気は抜けないけど。



将門は呪いを完全に克服したみたいだ。一人だけ差別するのは良くないと思っていたんだよ。


明の教育上ね。


よかった。


銀孤は、なんか腹を抑えてるけど、ひょっとしてひょっとしちゃったのか。


肯定された。


まじか。


いや、男の子でも女の子でも楽しみだ。


なに?

名前を考えておいてほしい?


そうか。


V○uberのストックあるかなあ。男の子だったらどうしよう。

ばあ○ゃるとか付けられても嫌だろうし。


うん。後回しにしよう。


俺は逃げた。



5人とも、とりあえず木の上で生活させることにした。


俺の下の混雑は前とは比べものにもならないくらいになっている。


気軽に下に降りるのは難しい。夜中にこっそり行くしかない。忍術を覚えているか、雲乗りで別のところに降りられるなら別だけど。



小田原城は落ちたみたいだ。よく5ヶ月も耐えたものだと思う。


そして、徳川家康がやってきた。


関東を与えられることになったらしい。


俺の近くの江戸城に入城した。


ここが関東の真ん中ということをよくわかっているな。


江戸城は近かったので、俺の場所からでも中の様子がよく見えた。


太った男が上座でテキパキ指示を出している。

優秀そうだ。

あれが東照宮家康か。

死んだ後は神社が作られるようだし、仲間かもしれない。


俺も祀られてるもんな。


それはそうと、挨拶はまだかね。俺のお膝元に都市を作るんだったら一言あってもいいだろう。


まあ、忙しそうなので、気が向いた時でいいよ。お参りしてね。


そんな俺の言葉が通じたのかわからないが、家康はちゃんとお参りにきた。


ウンウン。いい心がけだ。できる範囲で統治に協力しよう。

人心の安定なら任せてくれ。


北条氏は税率を四公六民にする善政を敷いていたが、家康もこれを引き継いだ。

トップが変わった後は混乱が起こってもおかしくないと思う。

うまく治めているのか、関東は平和の一言だ。


さすがは江戸300年の平和を築いた男だ。素晴らしい手腕だ。俺は素直に感心した。


利根川の改修工事をするみたいだ。


あの川、よく俺のそばまで氾濫するんだよなあ。


神様の土がなかったら危うかった。この土、水の吸収率が優秀すぎる。


一応少しは高台なので、ギリギリなんとかなっている。

とはいえヒヤヒヤさせられることは間違いない。

利根川がおとなしくなるのなら大歓迎だ。



家康の元で江戸はどんどん発展していった。


関ヶ原はいつの間にか過ぎていて、徳川幕府ができたらしい。


気づかなかった。関東以外で行われる合戦なんて気にしなくてもいいだろう。


これからは江戸時代。俺が最も安心できる平和な時代だ。

ようやく戦国を切り抜けた。

俺はほっと一息ついた。


さあ、世界有数の百万都市の始まりだ。


ここからは江戸の街が一望できる。その活気溢れる状況が簡単に見てとれる。


賑やかだ。


人間としての心がウキウキしてくる。


俺の関東の時代がついにやってきた。


火事と喧嘩は江戸の華ってな。


⋯⋯ん? なんか、聞き逃せないことを思い出した気がする。


火事と喧嘩は江戸の華。


⋯⋯火事。


やばいやばいやばい。死亡フラグが立ったぞ。


華と呼ばれるほどに火事が多かったと。


これ、ひょっとして戦国時代より危ないんじゃないか?

やばいやばすぎる。江戸に入ればもう安心だと思ってた。

そんなことなかった。


火消しの組織は? 


愛に尋ねた。


まだできていないとのことだった。


これもう無理では。いや、諦めるな。


俺は全員を江戸の街に放った。


俺の樹上を観察している望遠鏡を持った人が増えていたのもある。


どうも、そこにだれかがいると噂になっているらしい。


輝夜は寂しそうだったが、そんなこと気にしてる場合じゃない。



全員総出で火事の元を消させた。だが、これだけで手が回るとは思えない。


だが、有効な手を打てない。


いつ大火事が起こったのかまでは把握しているが、その原因はわからない。


くっ。この謎の歴史知識でも無理なものがあるのか。


仕方ない。

俺は耐火性をさらに上げることにした。100mまでをガッチガチに固めてやる。そんじょそこらの炎では焼けないように。


6人は、仮拠点を作ったらしい。

夜ごとに明と輝夜がやってくるので、離れた意味は正直ない気がしてきた。


俺も寂しいし、歓迎している。


歓迎していたらみんな夜は俺に登ってくるようになった。それでいいのか。


みんなのことも守らないとな。俺が、主人なんだから。


リアルでしばらく多忙のため、テンション次第で隔日更新になるかもしれません。


杉林の材積調査しないと⋯⋯

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