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丑三つ時

作者: 自転車のハンドルはカマキリ派

 確か今日は12時頃寝たはずだったが、ふと目が覚めた。タイマーをセットしたスマホはまだなっていない。寝ぼけつつもそれを手に取り今が何時なのか確認する。2:00だった。いわゆる丑三つ時だ。恐怖と好奇心が入り混じった複雑な感情によって意識がさえてくる。寝起きにはかなりきつい照明のスイッチを押す。


 そこで起き続けようと思ったのにはある理由がある。一般的には深夜の丑三つ時ぴったりに起きたら怖くなってそのまま寝てしまうか、何も感じず明日に備えるかのどちらかだろう。しかし実は、自分は怖い話や心霊現象が好きで近くのレンタルショップで借りたホラー映画を家で一人で見るほどだった。真夜中ふと目覚めることは時々あったが毎回期待してしまう。テレビの中でしか見たことがないようななにか起こるのではないかと。


とりあえず体を起こし、照明がまぶしかったので明るさを下げた。冷蔵庫の飲み物を飲み体が熱くなってきたので半裸になり、特にやることもなかったのでパソコンをいじりながら自分の期待する時間がいつ来るのかと待ちわびていた。


 2時間が経った。やはり今回も何も起きなかったと落胆し、隣のベッドへ倒れこむ。タイマーのセットができているかを確認し、スマホを触っていたら寝落ちしてしまった。


 夢は眠りの浅い時に見るものだとどこかで聞いたことあるが、その時の睡眠はかなり浅かったのだろう。かなり変な夢を見た。出てくる人間すべてがWiiのMiiのようなものでウサギ?がどうのこうのとか言っていた。さらに場面が急に変わり空が厚い雲に覆われた、何もない荒野で、黒く背の高い男がただ一人歩いていた。その男は時々空から落ちる雷にあたりながらもその歩みを止めなかった。そんな変わった夢からのきょう二回目の緩やかな目覚めの最中に待ちわびていた出来事が起こった。


 まず目を開けると、空いたドアの奥の方に黒い影が見えた。よく見ようと瞬きをして確認するとその影は髪の長い女の形だった。しかもさっきよりも近づいている。さすがに怖くなり目を強く閉じる。もう一度目を開けたらその影が目の前、もしくは自分の体に乗っているのではないかと考えるともう眼は開けられない。なぜか握りしめた拳ももう開けられない。それどころか体中のどこも動かせなくなっていた。少し大きめの声を出せば金縛りが解けるのではないかと思い声を出そうとするも、声を出そうとすればするほど喉が固まっていく。さらに寝落ちして途中になっていてのであろうスマホゲームの音楽が聞こえなくなっている。その静かな部屋がより一層恐怖をあおっていた。このまま寝ることができるならどんなに楽だろうとさえ思えてしまう。この状況を願っていたのがほかの誰でもなく自分であることを忘れて・・・


しばらくして、これがよく聞く金縛りとゆうものなのかだとか、幽霊らしきものが半裸で固まっている人間を目の前にしてどう思っているのだろうだとか冷静に考えられるようになって、やっと体が動かせるようになった。終わってみるとあんなに怖かった体験が意外と面白かったように感じる。あのような幻覚?を見せたのが部屋の薄暗さだったのかそれとも飲んだもののせいなのかわからないが、また一つ話のネタが増えたなどと、のんきなことを考えながら寝ようと思ったがなぜか寝れない。


そして今2時間ぐらい(照明の明るさは常にMAX)かかってこれを書き終える。結局のところ今夜は十分に怖く心臓に悪いものだったが、時間を忘れてタイピングしている途中に、セットしたことを忘れていたスマホのタイマーが真横で最大音量の警告音を鳴らしてくることが一番心臓が飛び出そうになったのは不覚だった。


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― 新着の感想 ―
[一言]  初めまして。最後にクスリときたので拙いながらも感想を書かせていただきます。  丑三つ時というと、妙にわくわくする時間だと私は思います。起きている背徳感と、幽霊とか出たらどうしようという半ば…
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