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7話 名付けと進化


 メイスを持っていたスケルトンが、手足のないスケルトンを訓練所の方まで引きずって行くのが見える。


(12時間は外敵全部から守られると勘違いしてたな、モンスターは普通に入ってくるのか)


 おちおち模様替えもしてられないな――と心の中で反省しつつ、スケルトン達の後を追い訓練所へと向かう。


 10×10メートルの戦闘訓練用フィールドと、壁に掛けられた数種類の武器。物を立て掛けるタイプの棚、そして樽の中にも武器が並べられている。

 人型を模した木のカカシには鎧や兜が飾られており、一番奥のスペースは鍛治スペースとなっている。


『名誉の負傷だな』

「せめて盾がもう少し良品だったらなぁ」


 鍛治師が座る(設定)の椅子に座らされた手足のないスケルトン。

 自分を取り囲む俺たちの方をじっと見つめている。


(手足の回復もポイントでできるのかな……)


 あまりにも見た目が気の毒だったので、メニュー画面からそれっぽい項目を探す――と、


【モンスター進化】――P

モンスターの進化を行う。種族の進化とは違うため、ポイントは少なくなる。ポイントは種族・進化状況で変動する(例:ゴブリンA、ゴブリンB→ハイゴブリンA、ゴブリンB)


【種族進化】――P

モンスターの種族を進化させる。ポイントは種族・進化状況で変動する(例:ゴブリンA、ゴブリンB→ハイゴブリンA、ハイゴブリンB)


現在のポイント:9414


 いくら探してもモンスターの治療という項目が無かったが、代わりにモンスターを強化するための項目は発見できた。

 上はその個体だけを強くしたい場合に用いるためのもので、下はその種全体を強化するためのものだと読み取れる。


 俺の中で、回復がなくても進化すれば自動的に回復・修復されるのでは? という考えがあるが――果たしてうまく行くだろうか。


 そして現在のポイントが9400あるのは、スキルのレベルアップによるものと、単純に考えて死喰いを倒した事で得たポイントだろう。

 あの強そうなオーガを一瞬で倒した死喰いも化け物だが、その死喰い相手に無双するアーサーこそ規格外な気がする。


 メニュー画面から〝ダンジョンモンスター一覧〟を開き、俺のダンジョンに属しているモンスター全てのステータスを確認してみた。



名前 アーサー

Lv 56

種族 スケルトンソルジャー

筋力__192[146](350)【688】

耐久__106[53](300)【459】

敏捷__66[33](110)【209】

器用__66[33](55)【154】

魔力__56[28](20)【104】


名前 アニィ

Lv 17

種族 ゾンビパペット

筋力__20[10]【30】

耐久__20[10]【30】

敏捷__20[10]【30】

器用__67[34]【101】

魔力__125[63]【188】


名前 なし(手足ある方)

Lv 15

種族 スケルトン

筋力__53[27](25)【105】

耐久__39[20]【59】

敏捷__24[12]【36】

器用__34[17]【51】

魔力__19[10]【29】


名前 なし

Lv 13

種族 コボルト

筋力__27[14](15)【56】

耐久__27[14](15)【56】

敏捷__64[32](10)【106】

器用__22[11](10)【43】

魔力__22[11]【33】


※【 】内が総合計値

※[ ]内が技能(スキル)強化値

※( )内が装備の強化値

※小数点第一位を切り上げ



「つっよ!?」


 二度見したわ。

 アーサーが予想以上に強かった。


 アニィのステータスも、死喰いとの戦闘でレベルの上がったスケルトンやコボルトよりも頭一つ抜けて高い。


 さて、戦力の把握ができたところで、続いては進化といこうか。

 個人的に、何もわからず戦場に駆り出されたのに無事に生還したスケルトンやコボルト達を贔屓目に育ててあげたいと感じている。


(それに要するポイントは……と)


 まず手始めにアーサーを候補にして検索をかけてみる――と、


【〝アーサー〟の進化に必要なポイントは〝475000〟です。次の進化先候補:スケルトンロード・スケルトンエンペラー・スケルトンキング】


 ……ちょっとこれはもう、しばらく進化は望めなそうである。


 とはいえ、敵を倒せばレベルも上がるし武器や防具でも強化できる。強化が完全に打ち止めになったわけではない。


 一応アニィも見ておく。


【〝アニィ〟の進化に必要なポイントは〝7500〟です。次の進化先候補:パペット・ゴーストマリオネット・屍人族】


 アーサーよりは安いがそれでも高いのは意外だ……ポテンシャルの高さに比例してるのだろうか? 種族進化じゃないのにこのポイントか――


「じゃあまずはコボルト。せっかくだしお前らに名前も付けてあげなきゃな」


 これから育てていくモンスター達だ、名前を付けたら愛着も湧くだろう。


 キョトンとした顔でこちらを見上げるコボルトの頭を撫でてやりながら、思い浮かんだ名前を入力する。


【〝小太郎〟の進化に必要なポイントは〝350〟です。次の進化先候補:ビッグコボルト・忍犬・スペルドッグ】


 進化候補の〝忍犬〟でピンときた名前、忍者党首から取った小太郎。当然、進化先は忍犬で決定だ。


 アニィとのポイントの差が激しすぎて激安に思えてしまう……


「お前ら2人はスケルトンブラザーズでもよかったんだけど、いいの思い付いたからそれにしよう」


 小太郎の進化を待つ間に、スケルトン達の名前と進化先も決めてしまおう。


【〝助さん〟の進化に必要なポイントは〝400〟です。次の進化先候補:スケルトンソルジャー・スケルトンナイト・スケルトンクレリック】


【〝格さん〟の進化に必要なポイントは〝400〟です。次の進化先候補:スケルトンソルジャー・スケルトンナイト・スケルトンクレリック】


 安直だが覚えやすいに越したことはないだろう。

 因みにメイス持ちが助さん、手足がないのが格さんだ。


「助さんがソルジャー、格さんがナイトだな。あの役割は固定の方がやり易いだろう」


 俺は小太郎同様に助さん格さんも進化決定を押し、光が収まるのを待った。

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