87話 バカトラァ!
前回の続きです!どうぞ!
ピピーッ……ピピーッ……ピピーッ……
「……あぐっ。」
目を開けると天井が見えた。 機械音が響く部屋でリサードはゆっくりと目を開ける。 体のあちこちが痛むが、不思議と驚きはしなかった。
何故なら、それ以上に痛む箇所があったからだ。
胸……が……
「……うがああああああああ!!!」
「リサード!!! 大丈夫か?! おい、リサードが起きたぞ!!!」
「……傷口が開く!!!」
「麻酔が切れたんだ! 早くしろ!」
胸が焼けるように痛い。一体何が俺の体に……。
リサードはグラグラと歪んでいく視界の中、深い眠りに落ちていった……。
………………………………………………………………………………………………………
「100000エンドになります」
「……おい、貴様。 たかが一泊で100000……いだだだだだ!!!」
「すいませんでしたー!」
オボロは耳をつままれたまま、マリンに店の外まで連れ出される。
「……何をする。」
「何をする……じゃないわよ! 店の人にいちいちつっかからないでよ!!」
「だがなぁ、あの店で100000エンドはぼったくりだ! あんな……」
「しょうがないじゃん! 余所者なんだから。 あんな大きな狼に連れられて来たら警戒されるよ! ……次の店行くよ!!!」
「……チッ。」
不服そうに歩き始めるオボロ。「……どうしようかなぁ。」と歩き始めるマリン。
だが、それにしても……とマリンは考えていた。
白狼はこの地帯ではさほど珍しくはない。 人に従われているのは驚きではあったようだが、別のことに驚いているような気がしてならないのだ。
もしかして、オボロってバレてる……???
でも、パッと見ただけで本人とわかるほどオボロの見た目は広まっていないはず。
では、何故……???
マリンがそう考えていると、────────
ガラの悪い筋肉質の男達に銀髪の少年が抗議をしていた。
「……それは俺の獲物だぞ!!!返せ!!!」
「どけや糞ガキがァ! 殺しちまうぞ?」
「可愛そう……ねぇ、オボ……」
マリンが振り返るともうそこにオボロはいなかった。
「……おい、離せ。」
「あ?」
「……なんだテメー。」
「ハァ……。」
マリンはため息をつく。
何でこうもまあすぐに争いに入っていくのかなぁ……。
男達も臨戦態勢に入っている。 ああ見えて意外とオボロは喧嘩っぱやい。 そういう悪目立ちすることはなぁ……。
と、マリンは思いながらも少年を保護するのが先だと考えていた。
しかし、────────────
ガラの悪い男達の顔色が変わる。
「お前……もしかして……」
男達の後ろの男がゆっくりと前に出てくる。
オボロは黙ったままだ。
そして、────────────
「ハハハッ! コイツぁ驚いたぜ! こりゃ本物のバカトラだぜえ!!! 何だァお使いが終わっ……ゴフォォッッッ!!!」
「…………………………………。」
オボロは白剣をもう既に抜いており、その柄でみぞおちに重いのを叩き込む。
「テメェ、ボスに何しや……おゲェぇぇぇぇッッッ!!!」
「……ウゴゴゴゴゴゴゴフォォォォッッッ!!!」
それに次いで、周りの男達にも峰打ちだけで終わらせていく。 柄を引きながら、蹴りを入れ、剣を打ち込み、最後に強烈な腹パンをぶち込む。
そして、一瞬で男達の伸びた姿が出来上がる。
「俺はもうあの頃とは違う……。 ……あと、その名で呼ぶな。」
「……オボロ!!! 」
駆け寄るマリン。 銀髪の少年は驚いた顔を見せるが、すぐに眉をしかめる。
「……俺は別に助けてなんて言ってねえ……。」
「そうだな。」
「バカトラのくせに!!!」
「……そうだな。」
銀髪の少年は何も言い返さないオボロに悔しがるような申し訳ないような顔をしながらも、男達の持っていた食料品をがサリと漁り、雑踏へと消えていく。
「……オボロはここ来たことあるんだね? だから、警戒されてるの……?」
「……………………………。」
オボロは何も言わずそのまま、歩き出す。
だが、────────────
「……ヘヘッ。 嬢ちゃん気をつけた方がいいぜ? その飼い猫はなぁ……ド変態野郎のお気に入りだからな……ぁ……?」
「……お前ッッッ!!!」
ッッッ───────────!
「オボロッッッ!!!」
思わず目を閉じるマリン。 そこから、少しずつ目を開けて行く。
ガギンッッッ……
オボロの白剣はその男の目先直前に突き刺さっていた。
ヘラヘラと笑っていた男の顔は引き攣り、冷や汗をかいている。
「ケッ……また可愛がってもらうんだなぁ……、リリー・チャイルドちゃん♪」
リリー……
チャイルド……?
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すいません。涙




