82話 ノア
遅くなりました!続きです宜しくお願いします
ここはディスタシア牢獄。 あれから3日がたち、白髪の青年リサードは外で草むしりをしていた。
ウルグスに脱獄の話を持ちかけられた後は大変だった。 当たり前のようにほかの囚人達も話を聞いていたため、牢獄の中には嘲笑う声と震え混じりで止める声、諭す声が響いた。 それに、ウルグスとユーシンが言い返し、口喧嘩へと発展し看守たちが流れ込んできたという感じだ。
そして、なぜここで草むしりをしているのかと言うと……
「アイツらめ……。 絶対に俺は脱獄してみせる。 」
「……………………………………。」
「ハァ……。」
囚人の1人が脱獄のことを看守に言い、看守にやってみろと笑われたあと1週間の庭掃除を言い渡されていた。
俺を加えた3人で……
「……おい、ユーシン、リサード。 何真面目に草むしりしてるんだよ。 そんなの置いといてさぁ。」
「………………………………。」
「ハァ……。」
黙々と草をむしるユーシンと、溜息をつきながらも真面目にむしるリサード。
……空を見上げると快晴が広がっている。
「おかしいよなぁ。」
リサードはずっとあった違和感を口にする。
「何がだい?」
「……だってさ、あの看守の反応といい、この牢獄甘いよな? 脱獄の話してたヤツらを外で草むしりさせるんだぜ? 確かに、大きな壁で囲われているけど、出れるやつもきっといるだろう? どこが世界最高峰なのか……」
「……ハッハーン。 いいところに気がついたね、リサード。 」
そう言うと、鼻をフンッと鳴らし、意気揚々(いきようよう)と説明するウルグス。
「……ここは警備については甘いんだ。 見張りは1日1度。 それに加えて、庭での自由時間が3日に1度与えられて、見張りは3人! まあ、貴族の街だから、庭にも噴水ついているしね。 字面だけ見るとこんなに甘い牢獄は無いと思うだろう……」
そう言い終えると、目をつぶりウンウンとうなづいて見せる。 ふざけているのかとおもった矢先、その後開いた目は笑ってはいなかった。
「……ここの脱獄に成功した例は、ある男を除いて1度もされたことが無い。昔は世界で一番甘いって話だった。 しかし、ここ数10年はただ1人だけだ。 ある男がこの街に来てからというもの、この街は世界最高峰と言われるようになったのさ。」
「ある男……???」
「……ある男って???」
リサードは聞き返す。
ん……? 誰の声だ……?
なんか今混じってたような……?
「ああ、その男の名は……」
そう続きを言おうとしたとき、ウルグスも聞きなじみのない男の声が聞こえていたらしく、その声の方を見上げる。
すると、────────
「……────────ッッッ!!! 」
ウルグスは声にならない言葉を発し、尻餅をつく。 見ると、ユーシンも尻餅をついている。
リサードはバッと距離を取り、その男を見る。
リサードにも負けないほど白く、それでいて綺麗に整えられた長髪。 この世のものとは思えないほど、整った顔立ちに、優しい声。 白い制服に身を包み、腰に装飾のついた剣がさしてある。
「やぁ。 ウルグス君にユーシン君。 掃除は進んでいるかい?」
「……で、で、出やがった……!!」
「出やがった……?」
リサードは不思議そうにその言葉の意味を探る。
マジで……?
この男がその……
すると、その男は文句のつけようのない立ち振る舞いで、リサードへと挨拶する。
「……やぁ、初めまして。 君が最近入った噂の新人リサード・ブルオスト君だね?」
「……アンタも名乗れ……。」
「そうだね? 申し訳ない。 」
彼はそうかしこまるとリサードに体を向けた。
「……私の名はノアだ。 ただの看守さ……。 あまり怖い顔しないでくれ。 」
「……ノア???」
リサードは脳裏に何かが引っかかる。 コイツの名前をどこかで聞いたことが……
すると、────────────
「……リサード!!!」
ウルグスがそう叫ぶ。 その瞬間だった。ノアとのとった距離は10m近くあったはず……忽然と姿を消す。
そして、────────────
ポン。
ゾクッ────────
肩に手を置かれる。
「……君がリサード君か。」
真後ろッッッ!!!
必死に振り返ろうとするリサード。 しかし、体が動かない。
俺は警戒を解いていなかった……! いつの間にこいつ……!!!
そして、体の動かないままウルグスとユーシンには聞こえないような声でそっと囁かれる。
「……ミラとの噂は聞いてるよ、引退剣士。 」
そして、────────────
「……オボロ君は元気???」
ゾッッッ────────────
呼吸が詰まる。
思い出した。 ……ノア・アルテミス。 獅子王の心臓で聞いた噂。 唯一、氷の女王……ミラを遇う男。
やっと体が動く。
「お前……!!!」
リサードは手を置かれたまま前転し、足で空を切りそのまま距離をとろうとする。
が、────────
「……あんまりはしゃがないでくれ。 昨日寝てないんだから……」
「……マジでかよ……」
肩に手は置かれたまま……
前転して距離をとったんだぞ……。 何なら、回し蹴りだって織り込んで距離をとる際確認したはずだ……。
すると、ノアは大きな声で呼びかける。
「……ユーシン、ウルグス? リサード君をよろしくね? 」
そう言うと、肩から手が離され体の動きが楽になる。 すぐさま、振り返るがもうそこにはいない。
そして、────────────
「……後で話がある。 悪いことはしないよ? 」
「お前……」
すぐ横を通り過ぎていく声。 まるで、頭を占領をするよう……
話は終わりかに見え、声と姿が消える……。 だが、最後驚愕の言葉がリサードを眠らせることは無かった。
「……ヒュドラ。 そして、クロエ王女……。 聞きたいことは沢山あるんだろう?」
「ッッッ──────────?!!!!!」
そう声が聞こえ、リサードが言い返そうとした時にはどこからも声をは聞こえず、既に姿はなくなっていた。
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携帯が壊れていて、やっとあげることが出来ました。 ほんとに……もう……




