表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/91

43話 新世界へ


続きです。 だいぶ小説書くのが日課になりまして、書かないと1週間が終わらない体質になりました。 どうぞこれからも僕と、この作品をよろしくお願いします。

では、どうぞ!!!



「そろそろか……。」



比較的目立たないような服装で、白髪の青年リサードは路地を歩いていた。

黒剣アビスは街中で使うには危険なため留守番してもらっている

大陸外から魔獣が入ってくるようにもなった現在、リサードは1ヶ月足らずで鬼のような功績を残している。

普通に街をぶらつけばたちまち人混みが出来上がってしまうほどに。

そのため、リサードは人の少ない路地裏を身を隠しながら進んでいた。



ふと、ポケットからあるアイテムを取り出すリサード。

それは、キラから貰ったアイテムだ。

どうやら何かの鉱石の様なもので青く、それでいて透明な鉱石。



コレをアルベルトという男に見せるんだったな……



3番街の出口が近づく。

この街には、5番まで街がある。

3番街は最も廃れた街だ。

孤児や、胡散臭い人たちが道端に歩いており、正直リサードはあまり好きではない。

だが、それと同時に元々孤児であったリサードには、懐かしい気持ちが流れるのも事実だった。



あの時……もし俺が何も行動を起こしていなかったら……



俺もきっとここに……



そんな考えが頭をよぎり、頬を叩く。



今考えるべき事じゃない……



気を取り直し、人に見つからないよう、身を隠しながら進み3番街の出口に着く。

すると、────────



「……………………ッッッ。」



高級馬車が3台止まっている。

この街道には明らかに似合っていない。



「名前だけじゃわからない……と思ったんだけどな……。」



明らかにおかしい風景だ。 間違いなくこの馬車の人だろう。

それに、馬車が3台ある以外には特に人通りがない。

とりあえず普通に声をかけてみるか。



「あのー……?」



「……おや?」



高級馬車の横に杖を持ち、スーツを着て立っている老人に話をかける。



「アルベルト……という方を探しているのですが。 ご存知ないですか?」



「おやおや、コレはこれは。 ほっほっほ。」



老人は被っていた帽子を外すと、深々と丁寧にお辞儀した。



「……リサード・ブルオスト様。 私がテイルズ家執事のアルベルトでございます。 以後お見知りおきを。」



「……こちらこそ、リサード・ブルオストです。 宜しくお願いします。」



ん……? 執事……? と思いながらも、つられるように挨拶を返すリサード。



「ほほ。 キラ坊ちゃんからよく話を聞きますが、よく出来た方でございます。 何卒よろしくお願いいたします。」



「いやいや、こちらこそ。」



堅い挨拶が終わると、老人は「ところで……」と話し始めた。



「キラお坊ちゃんは……? 姿が見えないようでありますが……。」



さっきからおかしいぞ……?

お、お坊ちゃん……? アイツの家ってもしかして金持ちなのか……?

キラと付き合いは長いが、家の話をしたことは無い。

別に聞くことでもないとお互いそんな話はしなかったが、金持ちなのか?



「あ……実は彼からコレを……」



気になりはしたが、あまり詮索はせず、要件を済ます。

そのため、青い鉱石をアルベルトに見せるリサード。

一体これを見せて何に……そう思った時だった。

執事アルベルトの顔が豹変する。



「……なんと?! その鉱石を?! 坊っちゃまがですか?!」



「────??? は、はい。」



「少しお借りしてもよろしいでしょうか……?」



「……? ええ、どうぞ。」



そう言って、鉱石を渡すリサード。

鉱石を受け取り、何やらジーッと観察し手を顎に当てる。

すると、アルベルトは「トホホ……」と初めて状況を理解したとばかりに頭を抱える。



「坊っちゃま……。 急に言い出したと思ったら、そういうことでしたか……。」



「あ、あのー……。 どうかしたんですか?」



「いえ……こちらの話でございます。 なるほど、状況は理解ができました。」



「ああ……はい。」



そう言うとせかせかと支度を始めるアルベルト。



「……とりあえずこの馬車に乗ってもらいましょうか。 リサード様。」



ニコニコとした表情でリサードを招く。

そりゃ、馬車が3台あるのだ。 乗るのではないか……とは推測できる。

しかし、クロエのことで協力してくれと頼んで、馬車に乗ると言うのはまさかとは思うが……



「わかり……ました。 ですが、あんまり遠くは行きませんよね……?」



リサードは思い切ってそう切り出す。

すると、アルベルトは「……?」と頭をかしげて見せた。

どういう意図かわからず、リサードも頭をかしげる。

すると、────────



「お乗り下さい。」



「……は?」



質問はなかったことになっていた……





✕ ✕ ✕






「では、こちらの船のお好きな部屋をお使い下さい。 荷物は全てお送りさせて頂きます。 ……ちなみに、この船には航海士とリサード様以外にはおりませんのでご安心ください。」



「……………………………………………………。」


リサードは船の前で空を見ていた。

あー……なんていい日だ。 こんな日は散歩をしたい……って



「いやいやいや、話が急すぎませんか?! 俺何にも準備してないし! 王国にすら何も報告してない! それに、心の準備というものが……」



「リサード様。 なぜ、私達は馬車が3台あったかおわかりで……?」



リサードは急いで他の馬車をのぞき込む。

すると、中には大きな鏡が1枚、重々しく怪しげに飾られている。

リサードがその鏡を見ていると、いつの間にか後ろに立っていたアルベルトが口を開いた。



「この鏡は貴方様の部屋の道具を転送するアイテムでございます。 人間は使用できませんが、荷物となれば別です。 ここで準備をしていただければよろしいかと……」



「グッッ……、だ、だけど王国の許可は? この痛手の時に俺がいなくなったら……」



「こちらに……」



そう言って、茶色の封筒を手渡しされる。



なになに……



〔七星剣4柱リサード・ブルオスト。 大陸移動許可書。 ハースハイト国王パンゼ。〕



「……はぁ?」



リサードは目を疑った。

確かに、判印、紙は正式なもの。 だが、こんな短時間で用意できるわけがない。



「どうやって……。まさか……」



明らかに金のありそうな家だ。

汚い金で王様を……と失礼な考えがよぎるリサード。



すると、「ほっほっほ……。」と笑い出すアルベルト。



「私達テイルズ家はほとんど何もしておりません。 これを見てください……」



そう言って、鏡を渡されるリサード。

覗き込むと何やら映像が流れ始めた。



「……行かせてやってくれ!」



「頼む! 私からも!!!」



「お願いします!!!」



「署名もこれだけある……。 どうか!!!」



キラ、エドワード、シルビア……?!



「国王様ーー!!! どうか、行かしてやってくれぇーー!!」



「……お姫様を助けに行く……最高に男だぜ!!! 俺も乗ったァ!!!」



「リサード様にはたくさん助けてもらいました。 どうか……どうか……。」



街のみんな……。



「あの子が居なくなるのは寂しいけどねぇ……。 でも、あの子が行きたいんなら誰にも止められないさ!!!」



「アイツはA級倒しに行って、S級を討伐してきちまうアホだ。 きっと外でも名前をうってくるじゃろ!」



バーバラさん、ウォマーさん……



「この人たちは皆、貴方と関わり貴方を応援したいと自ら望み、国王に掛け合って、この許しを得たのです。 あなたが討伐に出かける度にね……。 」



そう言って笑うアルベルト。



「私もすっかり騙されました。 坊っちゃんが急に家に顔を出したかと思えば、大陸外に行く準備をしろと仰せられましてね……。 この石を見た時確信いたしました。 この石は我が家に伝わる宝石。 家主が男と、ライバルとして認めた証なのです……」



「そして、先程届いたこの映像……。 馬車も3台と言われ、不審に思いましたが納得が行きました……」と頭を搔くアルベルト。



「キラ……が……」



「はい……。」



リサードは耳を澄ます。 すると、際ほどまで気にもしなかった波の音が心を揺さぶる。



「さあ……いかが致します? 私はどちらでも構いませんよ?」



そう言ってニコニコと笑みを作り、リサードを見る。



み……んな……



リサードの目が潤む。



ずっとひどい態度を取っていた。



大陸外に行きたいなんてわがままだと自分に鎖をつけていた。



本当は行きたかった。



すげぇ行きたかったんだ俺……



「……アルベルトさん。」



「はい。」



リサードは覚悟のこもった瞳を向ける。



「……絶対にクロエを取り戻す。 どんな困難にあっても。」



「承知いたしました。」



船の扉が開かれる。



「……行先はミューハーフェン大陸。 恐ろしく広く、それでいて大陸の中に様々な劣悪な環境が揃っています。 あらゆる部族、戦士達がそこには集います。 どうかご無事で……」



そう言って頭を下げるアルベルト。



「ああそうだ……。」



リサードは馬車に近づき、鏡に手を伸ばす。

そして、────────



「行こうぜ、アビス。」



鏡から光を飲み込むような、黒剣が顔を出す。



「テイラー……有難く貰うぜ。」



そして、次にテイラーの特注品。

テイラーズ・ビースト。

だが、名前とは裏腹に、獣とは程遠い高貴なイメージを彷彿とさせる。

上は白に黒の線が走り、靴は黒に光の線が走っている。 新・魔獣化、まだこの能力の影響化でヒュドラの本領を使ったことは無い。



俺はどこまで行ける……



気づくとそんなことを考えていた。



同時にある顔が浮かぶ。



クロエが待ってるはずだ……。



「行ってきます。 アルベルトさん。 みんなに……キラに宜しくお願いします。」



「ええ。 かしこまりました。 お気をつけくださいませ。」



リサードは、涙を拭き空を見上げる。

俺はまだ終われない……。



そうだろ? 俺。



リサードは自分に言い聞かせ船に乗り込む。

乗り込むとすぐに出発の汽笛を鳴らし、それは進み始めた。



リサードはすぐ目に付いたイスに腰をかけ海と離れるゆく大陸を見つめる。



パンゼ大陸……呼び慣れた名だ。 しかし、他の大陸からはデインコイドと呼ばれているらしい。

この大陸から出たことは無い。

確かに怖くないといえば嘘になる。

ジュードを追いかけて行ったあの氷を操る女戦士……。

正直自分じゃ話にならないだろう……。

あんな人がゴロゴロいたらたまったもんじゃない。

しかし、それと同時に心の奥から沸沸と沸き上がる熱。



「……さぁ、行くぜヒュドラ。」



この先は大陸の外の世界。

新しい出会いに新しい戦いが待っている。

いつしかリサード自分に、ある質問を問いかけていた。



俺が剣士を引退したいと思った理由は何だったけな……と。



確か、戦いに疲れた……とか落ち着いて過ごしてみたいとかそんな感じだった。

今だってその思いは強く残っている。

しかし、リサードはふと頭をふる。



先のことはまだ考えられそうにない。

俺はクロエを守る剣士だ。 いつか戦いが無くなり、クロエと平和に暮らせるようになれたら……



その時は近いはずだ……



リサードは船に乗り込み海を眺め、大きな不安と期待に身を投じていた。






















大陸の外……裕福なものもいれば、貧しいものも多いその大陸。

幸せの数だけ不幸がある。



普通ならばそう考えるし、その通りだ。



しかし、この先彼は理不尽な大きな絶望にぶつかる。



そのことを彼はまだ知る由もなかった……



────────────────────────────────────────






随分自分にしては、話のスピードが早いです。

新章に入るに当たって、たくさんたくさんエピソードが入ります。 今までの話の流れで書くと、正直何百話行くかわかりません笑

そのため、話の流れを全体的に早くして1話1話を少し濃くしたいと思っています。

まあ、次の話から遅くなってたりしているかも知れませんが……


あまり長く書いてしまってもあれなのでこれぐらいにしておきます。

では、いつも目を通してくれる方、不意に目を通してくださった方、本当にありがとうございます。 ここまで読んでくれている方にはもうどう感謝したらいいかわかりません。 お金を払いたいくらいです。 これからも目を通して頂けると生きる希望になります。 宜しくお願いします。


今話はここまでです。 ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ