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38話 最後の1人


前回の続きです!どうぞ〜!




ジジ……バチッ……



鉄の上を電流のようなものが走りガタガタと震う。 既に魔力ポータルは限界がきていた。



耐えろ……耐えてくれ……



レーベルはそう心の中で叫んでいた。



魔力ポータルと言うアイテムは離れたところにいる仲間に魔力を送ると言うものだ。

力の衝突で生じた魔力を外に送り、その魔力を通じて大きな結界を貼る作戦は成功した。

現にデミウルゴスとリサードの戦いで発生した莫大な魔力は、魔力ポータルを通じて外に送り出された。

その魔力を使って大きくそして頑丈な結界を作り出せている。

しかし、予想外のことが起こっていた。



それは────────



魔力が多すぎて消費が追いつかない……



レーベルはにわかに信じられない現象を目の当たりにしていた。

魔力を考えずに使えばものの5分もかからず魔力は底を突き、戦闘不能になるのは見えている。

そのため魔力は普通、温存するものであり有ればあるほど良い……はずだった。

しかし、今回は魔力があり過ぎて困っていた。

リサードとデミウルゴスの衝突は莫大な魔力を発生させ、魔力ポータルから外へ送り出されたのだが、消費が全く間に合わない。

その消費されなかった魔力が魔力ポータルに溜まり故障を引き起こしていた。

全員が魔力を垂れ流しに使っても減るどころか増していく。

かと言って、無理に魔力を外へ送れば磁場が発生したり、仲間達の身がもたない。

だが、このままにしておけば魔力ポータルは壊れ、魔力を送れず魔力の爆発が起こる。



「俺は一体どうすればいい……」



レーベルはそう呟き、中から自分も魔力の消費を手伝うことしかできなかった。



だが、そんな考えをも吹き飛ばすような衝撃がレーベルをも包み込んだ。



「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!」



────────────────。




リサードの体を掴んでいたデミウルゴスの手が離れ、爆風と共に姿を消す。

だが、リサードは感じとっていた。 足から伝わるアビスの突き刺さった感触、全身全霊を込めた一撃がデミウルゴスの体にダメージを与えた感触。



「これなら……どうだよ……。」



息も切れ切れだが、足に力を込め確かな足取りで見回す。 アビスもデミウルゴスに刺さったまま消えた。



だが────────



『素晴らしい攻撃だったぜ!!!』


「────────────?!」


後ろから声が聞こえたかと思った瞬間の殺気。

後ろを確認するより前に、殺気の軌道から体をずらし、確認する。



────────何?!



アビス……?



デミウルゴスの声は確かに聞こえて来たが、リサードの頬を掠めたのは飛んできたアビスだった。



奴はどこにッッッ?!



『ココだぜ兄ちゃん?』



「何っ?!」



デミウルゴスの強靭な手がリサードの肩に置かれる。 必死に振りほどこうとするが、恐ろしい握力で肩が潰される。



「ぐぁっ……ッッ!!」



『オラ……』



「ゴフッッ……!!!」



魔力をほぼほぼ使い切り、やっとだった体に重い蹴りが入る。

手を付き、(ひざまず)く。

ヨダレがたれ、何も入っていなかったため嘔吐だけは免れた。



くそ……あれでもダメだったのか……



リサードはゆっくりと見上げる。 すると、もう塞がっているデミウルゴスの傷口が目に入る。



「効いてなかったのか……?」



思わずそう呟いてしまうほど、リサードの精神を揺らすには効果的だった。



そして、デミウルゴスはリサードを見下ろし口を開いた。



『俺をここまで本気にさせたのは、お前が2人目だ。』



「2人目……?」



『ああ、その男は俺に勝つために、この大陸から去った。 まあ、帰ってくる保証はないがな……』



「…………………………………。」



デミウルゴスは落ちてきた太陽を懐かしそうに見た。



『今のお前じゃ勝てねぇ。 だが、強い奴は嫌いじゃねぇのさ。 大人しく生贄姫を渡せば再戦の機会を与えてやってもいいぜ?』



「グッッ………ゲホッ……。」



デミウルゴスはそう見下ろしたまま告げた。 リサードは口に溜まった血を吐き出すと、ゆっくり立ち上がりデミウルゴスと目を合わせる。

その目にはもはや戦闘の意思はない。



いいだろう……。



『よし、じゃあ生贄姫を……』



「────────。」



その時だった。



────────ゴッッ!!!



ただの拳。



『フガっっっ!!!』



デミウルゴスの顔面にリサードの拳が直撃し、デミウルゴスを吹っ飛ばした。



「……………………ハァ……………。」



『テメェ……ぐ……この野郎……。』



デミウルゴスは立ち上がろうと、手を付く。



────────────が、



『なんだと……?!』



この俺が……目眩?



頭が揺れ、体の重心が整わず立ち上がれないデミウルゴス。

リサードは口から垂れる、血を拭いデミウルゴスを逆に見下ろし返す。



「バカ言ってる暇があんなら、トドメさせよバカ……」



面白ぇ……小僧……



デミウルゴスの額に血管が浮かび、はち切れる。



『……死刑だ。クズが。』



デミウルゴスの顔からは完璧に笑みが消え失せた。



とことん付き合ってやる!!!



暴力の横行。



「ウッッッ!!! ガハッッッ!!!」



『……つまんねぇな。』



「ゴフッッッッッ!!!」



『さっきの拳は苦し紛れだったのか?』



そう言ってため息をつくと、リサードを蹴り飛ばし足を掴むデミウルゴス。



『お前の大好きなトドメだ。』



そして、グルグルと振り回し遠心力を強めていく。



そして、────────



『惜しかったが死ね。』



投げ飛ばし、手を重ね合わせその先をリサードに向けるデミウルゴス。

すると、その手からジワジワと紫色の液体のようなものが溢れ出す。

その液体から紫色の炎が顔を出す。



あれを今くらったら、おそらく俺は死ぬだろう……



リサードは飛ばされながら察していた。



だが、同時に。



死なない気がした。



「最後は……賭けだよな……。」



『黄泉の炎をくらえ。 閻魔に宜しくなぁ?』



────────炎系魔道



デミウルゴスはニヤリと笑い、その方向をリサードに合わせた。



死炎(シエン)ッッッ!!!」



紫色の炎が飛ばされ、リサードの倍速で襲ってくる。



「死んだらお前の勝ち……、耐えきったら……俺の勝ちだ……」



だが、────────



非情にも紫色の炎はリサードを捉える。

そして、出来事は一瞬だった。



「………………ぁ……………。」



紫炎はまとわりつくように、リサードを包み込み、さらに火力を上げていく。 そして、空中で燃え上がると煙のように一瞬で消えた。



────────────。



そして、レーベルはその時を見ていた。

膝から崩れ落ち、手を合わせ目を瞑る。



神よ……無力な我々を許してくれ……



レーベルはただただ、祈った。

自分がリサードとデミウルゴスの戦いを見ることしか出来なかったことを。

自分の無力さ、小ささに呆然と……。

そして、この状況でも動けない恐怖に……。



デミウルゴスは呟く。



『捉えたなぁ……』



紫色の炎が消えた。

炎が消える瞬間と言うのはつまり。



燃やす対象の消滅。



塵ひとつ残らず燃やし、そこに存在していた空気さえも燃やし尽くしたかの様に消える。



デミウルゴスは不意に腹に手を当てる。



『運が悪ければ、そのまま死んでいたのは……』



そう呟き、まだズキズキと痛む傷口をさする。



『さて、生贄姫を探すか……』



そう言って、背伸びをするデミウルゴス。



その時だった────────



…………………………?



デミウルゴスはある一定の場を見つめた。

そして、何かを察すると腕を鳴らす。



『生贄姫の前に、ゴミ虫を駆除する必要があるな。』



「…………………………………。」



デミウルゴスは呼びかける。



『気づかないと思ったのか、人間ごときが 。』



「ありゃりゃ……。見つかっちゃったか……」



声が聞こえる。 レーベルは驚く。



「この結界の中にもう1人いたのか……?」



そんなはずはない。 結界は戦いが始まった時には既に、もう貼ってあった。

誰かが結界を破れば、わかるはず。

だが、この結界の中にいるのはリサードさんとデミウルゴス、そして自分自身。

声からしても、先ほどの光景からにしてもリサードは有り得ない。

あり得るとしたら……



「最初から……居たのか……?」



「フゥ……ちょっと待っててよっと。」



爽やかでいて、透き通るような声が響く。



そして、────────



「帰ってきたらえらい事になってて驚いたなぁ……」



旋風が起こりその中心に声の正体である男は現れた。

右手にはリサードが抱えられており、風が緑色の髪を揺らす。



『おお……テメェは』



「あ、あなたは……」



顔は相当の美男子。 緑色の髪にサファイアのような青い目が覗く。

服は黒色の四肢をくっきりと映すスーツを着ており、忍者やアサシンの様なイメージを彷彿させる。

腰に1つ長い剣と言うよりは、刀のようなものをぶら下げており、それ以外は特に特徴はない。



「デミウルゴス。 リサードは俺の大事な後輩なんだ。 殺させはしないよ?」



『そうか……お前……。』



瞬きほどの瞬間。



男の立っていたところからマグマが吹き出す。

だが、そこに姿はなく別の場所に旋風が起こり、その中心から飄々(ひょうひょう)とまた姿を現す。



「いきなり酷いことするよね〜。」



男がそう言うと、デミウルゴスはたまらなく笑い出す。



『クックックッ。 俺はお前を待ってたのさ。 さっさとやろうぜ?』



なんだここは……



リサードも異次元的な強さだったが、別格を思わせるオーラ。



レーベルはこの男を知っている……



だが……



こんなにも強かったのか……?



この人は……



そう考えると、男は「その前に……」とレーベルに声をかける。



「ねえ君、リサードを持って離れてくれない? 結界を貼ってる奴らも一緒に連れてってさ。」



「いや、しかし! 結界が無くなってしまっては……」



「大丈夫♪ その心配はないよ。」



男がそう言うとレーベルの通信魔鏡が映る。 咄嗟にインベントリから手鏡を取り出すレーベル。



「どうした?」



「それが……私たちが貼っている結界の更に外側にすごい結界が出来ていて……」



「結界……???」



すると、緑髪の男がいつの間にか目の前にたっている。



「────────?!」



「ほら、心配いらなかったろー?」



レーベルが言葉を出せずにいると、緑髪の男はリサードをレーベルの手に渡す。



「リサード君を宜しくね。 」



「あ、あの……」



「ん???」



男は立ち去ろうとした所を振り返る。 レーベルはすかさず頭だけを下げ、言葉を続けた。



「つかぬことをお聞きします。 あなた様の名前は、もしかすると……」



「ああ、そうだよね。 僕あんまり人前に出ないからね。」



そう言って咳払いをすると男は透き通った声で答えた。














【「僕は七星剣の2柱、ジュード・レイラ。 自称リサード君の兄弟子です♪ よろしくね♪」】













────────────────────────────



やっとジュードさん出ました。 いやいや、こんなにかかるとは思ってもいなかったんですけどねー……。


最近自分息してるのかってぐらい影薄いですけど、一週間投稿は相変わらずです。 多分もう習慣なので変わらないと思います。 ですので、感想などもすごく待ってます。 もうほんとに笑笑


では、今回もこの作品に目を通していただきありがとうございました。 あなた方のお陰で私はこうやって続けていられます。 どうか今後とも目を通してご感想、ご指摘などをしてもらえたら嬉しいです。


ありがとうございました!!! また来週に!!!

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