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25話 悪夢再び

土曜日に間に合って出来ました! そして、今週キラが出ると言っていたのですがすいません!出ません!申し訳ございませんでした! 宮殿の話へ入ります。どうぞ!



ハースハイト王国に朝が訪れる。金の装飾品や高そうな布が垂れる大きなベッドから地に足を降ろす。黒のオールバックで服は下を履いているのみだった。はちきれんばかりの筋肉には、よく見ると数多の切り傷や火傷のような跡がついている。目は鋭く、まぶたの上についている傷がより一層怖さを引き立てる。


「ゼーノス様……」


ハースハイトの外れに大きな館がある。その寝室にゼーノスと呼ばれる男はいた。

ベッドの横から見目麗しい女が男をそう呼ぶ。女は裸だが、ベッドの布に体をくるめていて、今にも起きた感じだ。


「いつまでここにいやがる。 さっさと失せろ……」


「……は、すいません! 失礼致します……」


そう言って、女はいそいそと下着をつけ、布を巻いたままベッドを降りる。すると、部屋の扉が重圧な音をたてて閉まった。ゼーノスはゆっくりとクローゼットを開き服を見渡しながら、今日の予定を立てる。


「ああ……」


そう言えば今日は奴の処刑日が公開される日だ。みんなそれを見てどう思うだろう……。

それ聞いて居てもたってもいられずなにか行動を起こすものがいるだろう。動くものは動く……その時は……


「ククッ………………」


殺しても仕方が無いな……。


ゼーノスは笑い、そうして今日の服を決めた。


「忙しくなるな……」


ニヤリと笑うと、部屋を後にした。



✕ ✕ ✕



太陽が真上からハースハイトを捉える。窓から廊下に日が差し込みキラキラと輝く廊下。

エドワードは、宮殿の最上階にまであがりその廊下にいた。

宮殿の廊下を歩く音が響き、あるドアの前で立ち止まると、手を掛け大きなドアが開く。


「失礼致します。ゼーノス殿。」


「ああ、ぜひ入りたまえ。」


深々とお辞儀をすると、扉を閉め机の前まで歩み寄るエドワード。驚く程に磨きあげられた部屋に戸惑いを隠せない。光が反射するほどツルツルに磨きあげられ、天井や床までも大理石のような輝きを見せている。その部屋で黒い高そうなスーツを着て、指にはゴツゴツした指輪など沢山はめられている。

こんな部屋でよく落ち着いていられるものだ……。

そう思いながらもスッと膝をつき忠誠の構えをとる。


「今日はどういった御用でしょうか。」


エドワードは姿勢を整えるなり、そう口にした。

だが、大体要件の内容はわかっている。大方リサードの処刑の話だろう……、と予想はついているが敢えてそう聞く。

すると、ゼーノスの眉間に少しシワがよるのが分かった。


「……これは一体どういうことだい?」


「……と申されますと?」


「僕は、大罪人を3日後に処刑をするから今日伝達しておいてくれと頼んだはずなんだがね? 」


「申し訳ございません。 急でしたものでなかなか準備が整わず、遅れてしまっています。」


ゼーノスのシワはまだ眉間に残ったままだが、はっきりとそう答えるエドワード。

毅然とそう答え、片膝をつき顔は下げたままだ。


「そうかい……」


「それはそうとエドワード君……」


ピリッと空気が変わる。


「何でしょう……?」


「伝達が遅れてる割には、リサード君を助ける寸断は進んでるようだね……? 」


「────?!」



────ガギンッ!!



瞬間の出来事だった。座っていたはずのゼーノスは消え、エドワードもまた瞬間に聖剣(ブレイクイグニート)で一瞬のゼーノスの拳を受け止めていた。


「邪魔だてするなら殺すぞ。」


「ぐっっ……!!!」


なぜ、それを知っている。 このことはあのキラにさえ言っていない情報だ。すぐに切り返すが驚くべき移動速度だッ! 座っている状態からここまで現れ、拳を振り下ろすモーションを一瞬でやって見せた。


しかし、この男一体どこであの話を……


「なぜ、バレたんだろうって顔してるなぁ? エドワード…。」


真後ろから聞こえる声に反応が遅れる────


「教えてやろう……」


「……目は口ほどに物を言うってなァ……???」


「ウッッ……」


視界がガクンと揺れる。脇腹にゼーノスの左足がくい込むのがわかったが、体が宙に浮く感覚とともに壁に叩きつけられる……


だが、エドワードは思考を考えることをやめてはいなかった。彼の頭に浮かんだのは''目''という言葉。


お前のことは調べたぞ……目だけは合わせてなるものかッッッ!


この部屋の壁はおそらく高級鉱石アドマタイト大理石。だったら、多少の無茶も外には漏れまい。


────炎系魔法


「フレイム……」


余裕をかまして、攻撃を待つゼーノス。

その油断が命取りだ。目を開けられない程気温を上げてや……


その時だった────


「ロスト・アビリティ」


「グッッ……」


魔法が発動せず、体に熱が走る。

体を抑えながらもゼーノスを視界に捉える。すると、光を発するアイテム。


「指輪……だと……?」


「ククッ……魔法は使えないよ坊ちゃん。」


「貴様、その指輪……」


その指輪は……戦場で私を庇って死んだクレイドさんの……

エドワードに対し、両手を水平にあげ挑発するゼーノス。


「勘違いするなよ……俺は拾ったのさ。 」


「何を証拠にそんな戯言をッッ!」


激昂し、足腰を奮い立たせ鼻息が荒れる。


「証拠か…………」


そう言うと、そんなエドワードをバカにしたように笑い静かにこう口にした。


「私が見たんだ。バッチリこの目でね。なんなら証言台(しょうげんだい)に立とう。」


このクソ野郎めがッッ……………

やはり、リサードの証拠も嘘っぱちだ。

この男……どこまでコケにすれば気が済むのだ……。


「ゼーノスゥゥゥッッッ!!」


そう言って、聖剣を構え走り出すエドワード。魔法など要らぬ、この聖剣で奴を叩き切る。クレイドさんの遺品、そしてリサードをこのような男の好きにさせてたまるものか!!!

例え、目を見なくとも……


「フンッッッ!!!」


大きな横ぶりを放つがゼーノスは消えるような速さでこれを避け、視界から消える。


「君は遅すぎるよ、エドワード。」


後ろからまた声がし、大きな衝撃が背中に伝わる。

だが────


「うん……??」


エドワードが吹き飛ばない…………?


「お前が今殴ったのは……」


ゼーノスの襟首をエドワードの左手、剛腕がガッチリと捕まえる。


「クレイドさんの誇りだぞッッ!」


「なぁッッ?!」


ゼーノスの視界が反転し、宙に浮く。片手だけでゼーノスの巨体を背負投げにする。


例え、目を見なくとも経験則とこの防具に不可能はない。


「……このクズが……」


それだけでは無い。右手に持っている聖剣ブレイクイグニートの横ぶりを加える。

流石に、ゼーノスも虚を突かれ避けることが出来ない。


「チィィィィィッッッ!!」


ゼーノスは苛立ちを隠せない。

コイツは避けられん……。この赤豚野郎がァ!煩わせやがってェ!


「破身(インドラ)!!!」


「ハァァァッッッ!!!」


エドワードの聖剣(ブレイクイグニート)がゼーノスの脇腹を捉えるが、ガキンッと言う音がし、切れ込みなどは入らなかった。しかし、衝撃は抑えきれず吹き飛ばされる。


エドワードも手の感覚に、驚きながらもすぐ冷静に戻る。

ゼーノスの体がアドマタイト大理石の壁に叩きつけられ、壁にヒビが入る。流石のアドマタイトもエドワードの怒りの衝撃の前には損傷は避けられなかった。


すると、部屋全体に威圧が走る。

コレだ……あの時目を見ていなくとも体を硬直させたこの空気……

しかし、今のエドワードにはそれを打ち消すほど燃え上がる怒りが体を動かした。


「フンッッッ!!!」


倒れているゼーノスに大振りを放つが姿を消す。

また後ろかッッ!!

バッと振り返るが姿がない。


「どこへ……」


「この豚ァッッ!!」


「ガハッッッ!!」


思いきり放たれたゼーノスの蹴りを顔面で受け止めるエドワード。そのまま、吹き飛ばされ大理石に叩きつけられる。ヒビが走り、威力が落ちる。


天井に恐ろしい握力で指をくい込ませ、腕だけでぶら下がっているゼーノスはスッと降りると同時に唾を吐く。

いつの間にか爬虫類の様な目になっていたゼーノスはギョロッとエドワードを睨みつける。


「君をいたぶるのは少々骨が折れそうだ……。 こちらも少し本気を出すよ。」


ここからが本番……。 エドワードの圧倒的な防御力とゼーノスの圧倒的な攻撃力……


「俺は何度も立ち上がるぞゼーノス!!」


「クククッ…………」


目を合わせずとも経験と感覚を研ぎ澄ま………………



しかし、両者の決着を付けたのはエドワードの圧倒的防御力でも、ゼーノスの圧倒的な攻撃力でも無かった。



体が……動かん……。



何故だ……何故動かない……。 目を合わせていないはず、奴は一体どんな手品を使って……。


────その時だった。


「ほら、今も目が合ってるじゃないか。」


「なん……だと……。」


ピカピカにまるで鏡のように磨き上げたられたアドマタイト大理石。


目を見ないよう咄嗟に目をそらしたエドワードの先には、''鏡''のように綺麗な大理石……そこには……


……憎たらしいゼーノスの顔……?!目玉に吸い込まれるように目が離せない。直接目を合わせた訳では無いのに。ああ……体の自由が……


「誰が直接じゃないとダメなんて言ったんだい?」


心を読んだかのように、ゼーノスはそう言うとエドワードに近づき、手に持つ聖剣(ブレイクイグニート)を奪い取ろうとする。

エドワードが反抗しようと試みるも、ピクリとも動かせない。何も出来ないまま右手から奪われる。


「さすがに良い切れ味をしているなぁ……」


指に剣先を押し当て、血が浮き出る。

そうしてニヤッと笑うと、聖剣をエドワードに向ける。


「聖剣(ブレイクイグニート)と最強の防具……一体どちらが強いと思う?」


「────?!」


────ガギンッ!!


「ふむ、さすがにその防具は堅いねぇ。 でも、関節はどうかなぁ?」


そう言って関節にも振り下ろす。


「ウグッ………」


だが、関節に切れ込みは入らずその代わり骨の軋むような音が響く。


「ハハハハハッッ! すごい、すごいよその防具は! 関節まですごい強度だ! さすが、ハースハイト最強の盾と言われるだけあるねぇ!」


だが、エドワードの腕はもうあがらない。切れ込みは出来なくとも衝撃は限界がある。


「でも、着ているやつがダメダメだ……防具を生かしきれてないね……。顔にも防具付けておきなよ。あ、無いのか! 」


「フゥーッ……フゥーッ……」


「そんなに怒るなよ。 すぐには殺さないさ……。」


そう言うと、また聖剣(ブレイクイグニート)を振り上げる。



【「まだ、楽しませろよ豚ァ……」】



骨の軋む重い音が部屋の中に虚しく何度も何度も響いていた。



────────────────────────



アドマタイト大理石とは、この世界のオリジナルのものですが、現実にあったら教えてください。一応なかったと思うんですが……。

魔力を封じる指輪や、ゼーノスの技はまた今度説明されると思いますのでお待ちくだされば幸いです。

では、早いですがこの辺で締めたいと思います。ご感想ご指摘などございましたら気軽にコメント貰えればお返しいたします。気に入ってもらえたらブックマークもよろしくお願いします。Twitterなどもやっていますので気軽にフォロー下さい。

ここまで読んでいただきありがとうございます。まだまだ続きますので愛読の方宜しくお願いします。

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