出会い
高校生の少女、宮川美乃里は、今年初めての雪が降りしきる中、塾の帰り道でダンボールに入っている2匹の捨て猫を見つけた。
どちらも仔猫で1匹は白猫、もう1匹は黒猫で、2匹は突然押し寄せて来た寒波による雪で、今にも凍えて今にも死にそうに思えるほど小さくなって、震えていた。
美乃里はマンションに独り暮らし。
たまたま見付けた仔猫たちがみるみる弱っていく見ていられたくなった確かペット大丈夫だったはず、と思案して凍える子猫を腕に抱え、暖めながら家へと急いだ。
これが美乃里と2匹の子猫の出会い。徐々に暖かくなり始めたとは言え、まだまだ雪が降り積もる2月のある日の出来事であった。
月日は流れ、1年後。2匹の子猫は美乃里のおかげですっかり元気になり、白猫をシロ、黒猫をクロという名前を付けられて元気にすくすくと育っていた。2匹ともメスだった。
シロは元気はつらつですばしっこく、クロはおとなしく静かに過ごしていた。2匹とも助けてくれた美乃里が大好きで、美乃里が家に居るときは必ず付いて歩いた。
2匹の生活は、まず朝、美乃里と一緒にベッドから起き、一緒のテーブルで朝食を食べる。身支度を整えて軽く近所を散歩をした後、美乃里を学校へ送る。送る時はいつまでたっても美乃里から離れないので美乃里が一生懸命言い聞かせてやっと離れる。
美乃里がいない間はのびのびとしているが、時折美乃里を想ってか美乃里の写真を見つめる。
夕方、美乃里が帰ってくる足音を聞くとい一目散に玄関へダッシュ。鍵が開く頃には既に定位置にスタンバイしている。
美乃里が入ってくると、美乃里に飛び付き、甘えにあまえる。美乃里は嬉しそうにすりすりして応える。
そして夜まで遊んだ後は、夕食の時間。三人(?)でテーブルを囲って、楽しく過ごすのが日課だ。
夜は美乃里の勉強を見守り、苦手な水も美乃里のためなら何のその。お風呂にも一緒に入って体を洗ってもらう。
そして寝る時間、一緒の布団に入ってすやすや。
そんな生活を毎日のように繰り返していた。
ある日までは。