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01 プロローグ

初めての投稿です。というか物語を書くのも初めての超初心者ですが(笑)


なので至らないところばかりでしょうが、頑張って書いていくつもりなのでよろしくお願いします!

            01 プロローグ          


俺の名前は高木和也(26)どこにでもいる平凡なサラリーマンだった、ルックスもイケメンでもないし酷くもない中の中といったかんじだ。とある田舎から上京し普通の大学を出て普通の会社に勤めていた。


いつか好きな人ができて結婚し、普通に幸せになって生きていく、そんな平凡な人生を歩むのだろうと漠然と考えていた。


そう、あの日までは


=======================


会社からの帰り道、その日の俺は自宅近くの駅より一つ前の駅で降りて歩いていた。理由としては最近気になってきていたお腹周りのぜい肉を同僚の女の子に指摘されてしまったから、という情けないものだったのだが、


そんな会社での出来事を思いだしながら、魚屋や八百屋が並ぶ昔ながらの商店街を進んでいく、すると俺の目の前を一匹の黒猫が横切る。


(おお、黒猫だ、よく不吉の前触れとか言うよな…)


そのまま薄暗い路地裏へと歩いていく黒猫を目で追っていると、こちらを振り向いた黒猫と目が合う、偶然か?そんなことを考えながら見ていると再び黒猫は歩きだす。だがしばらく進むとまた目があう


「こわっ!おいおい俺はこういうホラーなの苦手なんだって!」


いい歳してなんだと思われるかもしれないが、俺は昔から幽霊だの怪奇現象だのが苦手だ、学生時代彼女との初デートで行った遊園地でお化け屋敷なるものに入った。年頃の男子であればキャッキャウフフな展開を思い浮かべるだろう、当時の俺もそんな展開にドキドキしつつ彼女と手を繋ぎ進んで行ったのだが、あまりの恐怖に彼女を振り切り、各種趣向を凝らしたお化けたちを全力でぶっちぎってしまったのだ。


そんなヘタレ男子のテンプレのような醜態を彼女に晒してしまったので、

そのあとの展開はお察しだろう。


「………」


今となってはいい思い出……でもない青春を思い出して一人で落ち込んでいると、


「ニャアー」


再び振り返った黒猫が俺に向かってニャアと鳴き、俺についてこいとはがりに歩き出した。「私」かもしれないが今はどうでもいいだろう。


(ついてこいってか?俺はホラーは嫌いだがジ○リやピ○クサーのようなファンタジーは大好きだ)


「よし!」


気持ちを切り替えちょっぴりビビりながらも俺は黒猫についていくことにした。



そろそろ日も落ちて暗くなってきた路地を黒猫の後について歩いていく、

しばらくすると周囲から徐々に家が少なくなっていき、代わりに空き地やすでに誰も住んでいないような空き家が多い場所に来ていた。

そんな人気が少なくなった場所からさらに奥に進むと、雑木林が見えてきて

黒猫はそこへ真っ直ぐに向かっていく


「おいおいまさかこんな薄気味悪いところに入るのか?」


「ニャアー」


そんな俺の問いに答えるかのように返事をして黒猫は雑木林の中に入っていく、内心すでに後悔し始めていたが、せっかくここまで来たんだと気合いを入れ直して俺は黒猫について雑木林の中へと入っていった。



雑木林の中はなんとか大人一人通り抜けられるような道?というのも怪しい獣道を黒猫の後をついて進む、それから10分くらい歩いたころ月の光りで足下がなんとか見えるような場所で、前方に松明のような小さな火の揺らめきがいくつか見え、その後ろには神社のうな建物があり、そしてその光りに照らされた人影が見える。


(こんなところに人?)


こんないかにも怪しげなシュチュエーションにもかかわらず、この時の俺は恐怖よりも好奇心が勝り、その火の光に誘われるようにその人影に近づいていった。


そこに居たのは、腰ほどまで伸びた綺麗な金髪で瞳の色は透き通ったような青、着ているものも西洋の女神のような神秘的な白を基調とした服をまとった17歳くらい?の神々しさすら感じる美少女がそこに立っていた。


「こんにわお兄さん…いえ、もうこんばんわでしょうか?」


「こっこんばんわ」


この日本でさらに神社という場所でかなりミスマッチであるが、そんなことはどうでもよくなるような美少女に話しかけられ、俺はなんとか言葉を返した。緊張して多少噛んでしまったが、平凡な人生を歩んできた俺に日本のアイドルも顔負けの美少女に普通に対応できるだけのイケメンスキルなんて備わっているわけがない、


「そんなに緊張なさらないでください。」


「はい…」


そんな俺の様子に気づいて少女が微笑みながらフォローしてくれる。

こんな一回りも年下の少女に気をつかわれた事に若干へこみつつも気になっていたことをなんとか質問する。


「質問なんですが、俺は商店街で出会った黒猫に着いてきてここまで来てしまいました。それでこの場所なんなのでしょうか?それと、あなたは…」


話していて、ここで黒猫がいないことに俺は今更ながら気づく


「失礼いたしました。自己紹介がまだでしたね、はじめまして私は女神イリスと申します。

そしてこの神殿は…こちらでは神社でしたか、ここは異世界とのゲートと

して使わせていただいております。あっそうそうこの子は使い魔のミューです。ミューにはあなたをここまで連れてきてもらいました。」


さっきまでこの少女のインパクトが強すぎて完全にその存在を忘れていたが、彼女の足下に淡い光にと共にあの黒猫が現れる。それに異世界?ゲート?今ファンタジー要素溢れる単語がいくつも飛び出てきたが、普通であればそんなおとぎ話信じられない、だがついさっき黒猫が召喚されるところをこの目で見てしまっている。彼女が女神というのも本当なのかもしれない。それに俺はあのミューとかいう黒猫につれてこられたということらしい。


「はじめまして、高木和也といいます。それで俺は何故こんな場所に?」


「はい、その前に。このミューにはある特性がありまして、大変申し上げにくいのですが死期の迫った人間にしか見えないことなのです。なのでその条件を満たした方をお連れすることがミューの役目でした。つまり高木和也さん、あなたです。」


「は?…俺が死ぬ?」


(意味がわからない、何だこの急展開は、そりゃあ最近ちょっと太ってきたりもしてたが、それだけだ。先月受けた健康診断でも特に問題は無かった。)


「そんなっ…何かの間違いじゃ…」


「いいえ、残念ながらこの運命は変えられません。」


俺の否定の言葉にこのイリスという名の少女は断言する。俺は死の運命から逃れられないのだと、彼女のその真剣な表情からこれがまぎれもない真実なのだと、俺は理解させられてしまった。


「ですがそれはこの世界でのこと、別の世界でならあなたは生きることができます。」


「別の…世界?」


「はい、あなたの生きるこの世界とは別世界。あなたからしたら異世界ということになります。」


「その異世界でなら俺は生きられるんですか!?」


「絶対にとは言えませんが、少なくともこの世界での死の運命からは逃れられるでしょう。」


俺はまだ死にたくない、あがきもせず死の運命なんて訳のわからないもので生きることを諦められるわけがない!おれは決断する。


「俺はまだ死にたくない!だからその異世界とやらに連れてってくれ!」


そんな俺の決意の叫びにイリスは微笑む


「わかりました。ではこちらに」


イリスの案内で俺は神社の扉の前まで歩いていく、そこはなんの変鉄もない普通の神社だ。だか明らかに普通でない所がある。そう目の前の扉には大きな魔方陣が描かれていた。


「これが異世界への入口ですか?」


「そうです。この扉の向こうは異世界へと繋がっています。そして高木和也さんあなたの新たな人生が始まるのです。」


「そう言えば俺は異世界ではどうすれば?」


肝心なことを今更ながらに思い出す。異世界にいくのだ。小説とかだと勇者として魔王を倒す、というのがまっさきに思い浮かぶ。


「いいえ、こちらからは特にありません。あなたがあちらの世界で何をなすかは、あなたしだいです。」


「好きに生きればいいと?」


「はい、そうなります。」


物語にあるようなお約束、というのには俺は縁が無かったようだ。少し拍子抜けしたが、平凡な俺にはお似合いなのかもしれない。


「では、心の準備ができましたらこの扉からお進みください。」


そんことを考えているとイリスに促される。まあ深く考えても仕方ない。

そう俺は開き直り大きな魔方陣が描かれた扉を開く。


(なるようになれだ!)


すると目の前がまばゆい光につつまれる。そのあとに徐々に体が消えていく感覚があるが、不思議と痛みはない。


「高木和也さん、あなたに神の御加護があらんことを」


そんな彼女の言葉が聞こえたあと、俺の体は完全にこの世界から消滅しそのまま意識が遠のいていった。




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