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試験的に皆様のリクエストもいれていきたいなとおもいます

黒塗りの大地に一人の黒い着物を着た長身痩躯の妖艶な女剣士がいた。



ここは地球----。



東京の中にありながらも誰もがいることはない。



呪いの場所と呼ばれる名もなき山中。



「----レクセウスだっけ?こんな土地神クラスの神に何の用だい」



「冗談よしてくれよ、あんただったらそのぶら下げた得物で世界神だって殺せるだろうよ」



白銀の神に黒スーツを着た蒼い瞳の長身の優男はにこりと笑う。



「----[殺戮と守護]を司る私に声かけるたあ、酔狂だね、茶くらいならだすよ、はいんな」



「妖艶な女は立ち姿も映えるねえ」



スチームクロミシア----現時点で最高神としての立場を持つ光の神レクセウスは静かにため息をついた。





自世界の混迷を正すための救済措置として白羽の矢が立ったのは地球の神。


その中でも異質な神である彼女だった。



人間から神に変わった彼女の名前はうらら


江戸時代、農民から遊女に変わり侍になった変わり種である。



それはひとえに彼女の稀有な人生によるものであろう。



農民時代、野党に襲われ一家を惨殺され生き残り生きる事に渇望し遊女への道をいく。

元より器量よしでありあっという間に花魁へとかけあげるも、仲間達への店や客の扱いに憤りを見せ

見よう見まねの自分によくしてくれた侍の剣術で店と客を惨殺。


その後罪人となるもその領地の領主にみそめられその時代においては珍しい女侍となる。



数々の戦功を打ち立て味方に対しては可憐な笑みを見せ敵に関しては残虐性を誇った事から


[修羅菩薩]と呼ばれ最後、領地を護るために単身一万の軍勢を一人で倒し切り生きたえたとされる。



領民は彼女を神とあがめ、敵国は彼女を最高の敵と褒め称えた。



その修羅と菩薩のような功績が知れ渡りある種矛盾を抱えた[殺戮と守護]を司る神になったのである。



「----もうここにゃ私の物語を知るものはいないからねえ、いいよいってやっても」



レクセウスの事情を聞いたと同時に二つ返事で頷くと



「しかしなんでまた私に?他の世界の神だって私の[力]を知ってるだろうに」



「----あんたが真正の人斬りなら誘ってないさ、貴女は慈悲深く苛烈なだけだろう」


「----そいつはありがたい評価だねえ、[殺しきる]力と[護りきる]力はあんたら神達にとって扱いにくいだろうに」


「確かに俺達の攻撃を一切無効にして確実に殺すという神の力を持っているあんたは恐ろしいさ、だからこそ人の儚さも弱き者の気持ちもわかるだろう?」


「----神になって強大な力があっても持ち腐れだからねえ、人であった時代は命に渇望したもんだが、神の永遠の中で護るものがいてもいいさね」



うららはにこりと笑う。


「レクセウス、あんたの願いを受理したよ、どことでもつれていきな」


「おおせのままに」


最高神でありながら頭を下げるレクセウスに少しだけうららは驚いた。



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