6月1日のこと
朝、「チシャ」が死んでいた。
昨夜のまま、くったりと動かなくなっていた「チシャ」。
パセリを入れ替えようと、「チシャ」の乗ったパセリをちょっと動かしたとき。
ぽとりとあっけなく、虫かごの底に落ちる「チシャ」。
全く動かない体は、奇妙にねじれたポーズを取っていた。
へにょっと一部がへこんでしまっている。
ああ、やっぱり、と。
よぎるものがあった。
もっと早く隔離しておけば良かったとも思うし、隔離しても同じだっただろうなとも思う。
餌は十分に入れていたと思う。
だけど「チシャ」が食事をする光景は、あまりに少なかった。
実際にこの目で見たと確信が持てることも1回くらいかもしれない。
その時も、あまり食べていなかった気がする。
他の二匹は今朝も元気そうだ。
むっちりと太って、ぷにぷにしている。
そんな二匹でも食い尽くせない程度にはパセリの花を入れていた。
それでも食べなかったのか、食べきれずにいたのか。
食事がすべてじゃないだろうけれど、健康の指針にはなると思う。
「チシャ」は、やっぱり死んでしまったみたいで。
せめて庭に埋めて土に還すことにした。
夕方、帰ってから虫かごを覗く。
そこにはむちむちの「パセリ」と「セリ」。
二匹は太って、体も重そうだ。
というか「パセリ」さんは最早パセリの花穂みたいな細い茎では体を支えるのも難しそう……に見える。
案の定、体重を支え切れずに落ちる光景を目にした。
すぐに這い上がっていたが、一度体勢を崩すと大変そうだった。
「セリ」も今日は貪欲にパセリの花や若い葉っぱを貪っている。
こんなに食欲旺盛な「セリ」は初めてかもしれない。
やはり食欲の権化と言えば「パセリ」の印象だった。
だけど今夜は、二匹は互いに劣ることなく。
むっさむっさと絶え間なく貪る姿を私に見せてくれた。
この二匹が元気なだけで、淋しい気持ちがほんの少しまぎれた。