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芋虫日記  作者: 小林晴幸
17/25

6月9日のこと

 今日も朝から芋虫(蛹)さん、こんにちは。

 しかし返事はない。当然である。

 

 蛹になって、時間も過ぎて。

 昨日のように焦るようなことがなければ、書くこともない。

 今のところ「パセリ」も落下することなく、安堵している。

 ……まあ、安心するのは早いかもしれないが。

 「パセリ」は二本の糸で吊るされているだけなので、糸が見えなければ完璧に天空の蛹、空に浮いているように見える。

 この状態で羽化が出来るのか、連日胸がドキドキしているとも。


 変化はないが、蛹の色や形は定着したのか変化なく落ち着いている。

 若干ふっくらしている「セリ」。

 しゅっとした感じの「パセリ」。

 色合いは基本みどり。

 部分によって色の濃淡に違いがあり、芋虫時代に腹側だったところは色がより濃い緑。

 背中側には黄色っぽい色の突起がちょんちょん。

 腹から下、お尻の方は薄い黄緑。こちらの方は濃い緑との対比で白っぽくも見える。

 そして体の側面に、濃い緑のラインが走る。

 この姿のまま、今日も変化はない。

 「パセリ」さんの体が、揺れたためか若干斜めに傾いていることくらいである。

 これは本格的にもう書くことがないな、と。

 残念な気持ちがある。

 ちっとも動かないし。

 もしかしたら見ていないときに蠢いているのかもしれないが、目にしなければ無いも同然。

 むしろ見る確率が減ったあたりから察するものがある。

 昨日、今日、彼らが動くところは一度も見ていない。

 もう動くことはないのだろうか?

 そうだろうな、と思いつつ。

 やっぱり残念である。



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