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物語詩編  作者: 怜梨珀夜
7/10

愛癖



 たとえば、君が

 僕に笑いかけてくれたなら

 僕は すぐに僕の目を刳り貫いて

 その残像を脳裏に焼きつけよう


 たとえば、君が

 僕のあげた香水をつけてくれたなら

 僕は 僕の鼻を削ぎ取って

 その香りが色褪せないようにしよう


 たとえば、君が

 僕に料理を作ってくれたなら

 僕は 僕の舌を噛み切って

 その味の記憶が穢されないようにしよう


 たとえば、君が

 僕に好きだと囁いてくれたなら

 僕は 僕の鼓膜を焼き切って

 その甘美な響きを僕だけのものにしよう


 たとえば、君が

 僕を抱きしめてくれたなら

 僕は 僕の皮膚を残らず剥いで

 この人生で触れ合えた最後の人を君にしよう


 たとえば、君が

 僕にキスしてくれたなら

 僕は 僕の心臓を抉り出して

 この人生にピリオドを打とう

 最期の鼓動は君のためだけに使おう



     そうして

     君への追憶で満たした亡骸(ぼく)


     君は愛してくれるだろうか



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