エピローグ
事務所へと戻った私は、早速暖かい紅茶を頂いています。散々無駄な努力をさせられたのですから、これくらいの有意義な時間は必要です。
「しかしよく犯人が犬だと分かりましたね。いつから分かっていたのですか?」
どこからが無駄な努力か気になる所なので・・・。
「そうだなぁ・・・息子が死んでいる、と確信した辺りかな。犯人がメイドでもない、亭主でもない、ましてや息子は死んでいる。その辺の輩でもないとすると、自ずと決まってくる。」
「はぁ・・・。ではどの辺りから息子は死んでいると確信が?」
「そうだなぁ・・・。二人が息子の事で喧嘩をしている話しを聞いてからかな。まぁ最初から疑いはしてたがな、情報の少なさで。」
「は・・・はぁ・・・。」
と言う事は、かなり前から無駄な努力をさせられていたと言う事になります。不本意です!腹ただしいです!
何はともあれ、こうして無事『マダム殺人事件』は解決を迎えました。ま、殺人ではなかったのですがね。
後ほどメガネから連絡が来て、ゴールデンレトリバーの爪に挟まっていた髪の毛は、間違いなくマダムの物だったそうです。
「それにしても、息子の死ってそう簡単に受け入れられないものなのですかね?生きている振りまでしてとは・・・私には考え難いです。」
「まぁ子供の死なんぞ、そう簡単には受け入れられないさ。わたしも、お前が死んでしまったら現実逃避をするかもしれんからな。」
「はぁ・・・。」
ダルマの癖に、恥ずかしい事を言ってくれるじゃないですか。
とりま、こうして私達の依頼は無事全て解決しました。そしてまた新たな依頼人が訪れ、今日ものんびりと、手頃に手を抜きながら捜査をするのであります。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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