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眠りから覚めた妖狐

妖狐の目覚めの時。


『やっと、お前に逢える。』


1000年の眠りから目を覚ましたのは妖狐だった。


凛と儚い姿と川のせせらぎのような

一度聞いたら忘れられない柔らかな声が

私は、大好きだった。


梅の木が咲き乱れる春の風が頬に当たり

目を細める先に、佇む人影。

あやめ色の着物姿で

白銀の長い髪が揺れている後ろ姿。


どこか懐かしく

私の眼からは、涙が溢れた。

名前も知ってるはずなのに…。


「一花!一花!」


夢の中から、一花が眼を覚ますと

お母さんが私の体を揺さぶっては何度も起こしていた。


「一花、日直の日だったんじゃないの?」


「ふぇ?」


手に持っていた置き時計を一花に手渡すと

顔色が見る見る青くなり現実に気付いた一花。


「え...。しち、じ...7時50分?!」


慌てて布団から飛び起きると

着ていたパジャマを脱ぎ捨て

制服に急いで着替えると

一花は、階段をバタバタと降りて

洗面所で、顔を洗っていた。


「ひゃんでもっと、早くおこしてくれないの!」


「あのね、けいちゃんも家に来てくれたし

何回も、お母さん起こしに行って

起きなかったのは、どこの誰よ?」


頬を膨らます一花。

歯磨きが終わり、寝癖を直すが

今日に限って寝癖が直らない。


「あーもう!何で、このくせっ毛は!」


足をジタバタと踏んで、洗面所の鏡の前で怒る

一花を横目に、仕事の鞄を持ったお母さんが玄関に向かった。


「一花!鍵はちゃんと閉めてよ!

じゃあ、お母さん先に行ってきまーす!」


「あー!待ってよ!お母さん!」


置いてかれた一花が、タッチ時計を指で押すと

8時を過ぎていた。8時30分までには

学校に着かないと、日直に間に合わない。


「おばあちゃん、おじいちゃん

お父さん、行ってきます。」


仏壇に手を合わせ終わると

一花は鞄を掴んで自転車の籠に投げ入れると

急いで学校へと向かうのでした。



•*¨*•.¸¸☆*・゜


「8時...25分、ギリギリ、間に合った...。」


自転車を飛ばして漕いで

学校の階段を2段飛ばして駆け上がり

一花は教室の扉を、ガラガラと開けた。


「おっ?一花、ギリ間に合ったね!」


親友のかなが椅子に座って一花に手を振っていた。


「かな、お、おはよー。」


一花は、息を切らしながら教室の中に入ると

ゴンッと鈍い音が頭に響くと痛みから

頭を手で抑え振り返る一花。


「ギリギリじゃねーよ。お前、日直だろ?」


背もでかけりゃ、態度もでかい

黒髪短髪、うに頭な癖に猫っ毛で

私の幼じみのけいちゃん。

いっつも私の頭を標的にされている。

これ以上、あほになったらどうするんだと

一花が思ってると、けいちゃんが振り返った。


「大丈夫、一花は昔からアホだ。」


「けいちゃんの、ぶぁーかああああっ!」


「ほう。俺のが成績上なんだけど?」


「ぐやじい!!」


「かな、いつもの夫婦漫才か?」


「そうね。毎朝のコミュニケーションね。」


一花と圭がぎゃあぎゃあと毎朝イチャつく姿に

見慣れていたクラスメイト達は、笑ってたり

はやし立てられたりしていると先生が教室に

入って来て皆が席に戻って椅子に座った。


「ねえねえ、かな後で、話があるんだ。」


「んー。分かったよ。」


先生の話を聞かずに机に伏せって寝入る

かなに、ぼんやりと窓際の席で

窓の外を眺めていると

8月なのに季節外れの梅の香りが鼻を擽った。


「梅の香り?なんで、今頃?」


先生が、転校生を紹介すると

教室の扉が開くとクラスの皆の視線が

転校生に集まっていた。


「今頃、転校生とか珍しいー。」


教室の扉をくぐる背の高い転校生を見た

一花は、何処かで見たようなと、彼を見ていると

ガタンと勢いよく椅子から立ち上がった。


「あー!夢の中で見た狐だ!」


皆の視線が一花に向けられると

担任の先生が一花に声を掛けた。


「何だ、雨宮知り合いか?それなら、席は…。」


長い髪を淡い紫色の紐で後ろで結び

白銀の髪色は、風で靡いていた。

べっこう飴のような淡い金色の瞳が揺れる度に

教室の女子達が、美形すぎると騒いでいた。


見た目は、人間に似ているが

一花の眼には、妖の類と気付いた。


寝ていた香苗がカタカタと体が震えていて

圭は、すっごい怖い顔で転校生を睨んでいた。


「初めまして。私の名は"雪"と言います。

仲良くしてください。」


柔らかな声色(こわいろ) に一度聞いたら

忘れられないような、話し方。


「隣、座ってもいい?」


一花は、慌てて空席に置いてた荷物を片付けると

椅子に座ると、彼は黒板を見ていた。


•*¨*•.¸¸☆*・゜☆:。・:*:・゜


妖と人間が、一緒に通う学園


『明帝学園』


妖の住む場所もあるとかないとか?


その妖の中でも、妖力の強い天狗、鬼、妖狐

三大妖は、大昔から人の花嫁を探してるんだって。


理由は?えっと、何だったけ?

大事な話を亡くなったおばあちゃんが

言ってたような?


ほとんどおばあちゃんの話を聞いていなく

あれ?と首を傾げていると

転校生がジッと私を見つめていた。


ニッコリと笑う不思議な笑顔に

一花は、変な転校生だなと

夢の話なんて、すっかり忘れているのでした。

妖のお話を書いてみたいなと

ずっと考えていました。


まだ、連載中の小説もあるので

スローペースの投稿になりますが

ブックマーク登録、アクション評価

よろしくお願いします(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”



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