第21話「封印の正体、そして一撃」
浮島、探索中。道はなぜか自然に開く。
やっぱり……何か待ってたのか?
【○月●●日】天気:風強め。地面、ちょっと浮いてる(物理)
空の神殿をさらに奥へと進んだ。
例の“声”が聞こえてから、何かが導くように道が開けていく。
崩れていたはずの通路が自然に崩落を止め、扉が軋んで開いた。
エミリアは「これこそ勇者様の加護です!」と謎の感動。
ニアは「なんか……この島、生きてる気がするニャ」と真顔。
そして──
神殿の最奥に、それはあった。
黒い石の棺。
浮島の中心に据えられた、封印の核。
周囲には古代語でびっしりと呪文が刻まれていた。
中から、時折うなり声のようなものが漏れている。
「これって……魔物が封印されてるの?」
「たぶん。でも、ちょっと違うような気がするニャ……」
その時。
床の魔法陣が、不意に光を放った。
「っ、ちょっと待て!?今なにか起こしたか俺!?」
「勇者の波動を感知──封印解除シーケンス、起動──」
「やめて!?今の俺、ノリで来てるだけだから!!」
魔法陣の中心から、黒い霧が立ち上る。
姿を現したのは、“魔将”と呼ばれる存在だった。
人型、全身鎧、真紅の目。何も語らず、ただ剣を構える。
エミリア、即座に抜刀。ニア、飛び退く。
そして俺は、──ナイフを、滑らせて投げた。
……なんで!?自分でも分からない!!
だがその瞬間。
神殿の天井に設置された魔力灯が、“ナイフの投擲方向に反応”して暴発。
その衝撃波が、魔将の背後から直撃。
──魔将、自爆した。
「……は?」
「お、お見事です!やはり勇者様の放つ一撃には、加護が宿って……!」
「いやいやいやいや!!今のただの事故!!ナイフそれて照明壊しただけ!!」
だが村の魔術師がどこからともなく現れて言った。
「封印の守護者を打ち破るとは……やはり、勇者の再来でございます……!」
「来てたの!?てかなんで“勇者ポイント”加算されてんの!?」
結局。
・封印の魔将を倒す
・古代魔力を起動させる
・無自覚に“封印継承権”を得る
この3コンボによって──
俺は「空の島の主」として、正式に“空神勇者アルル”の称号をもらうことになった。
もうだめだ……引き返せない……
でも、ナイフ1本で伝説が増えたのは……ちょっとだけ、面白かったかもしれない。
気づけばまた、肩書きが増えてました。
ナイフ投げるだけだったのになぁ……(遠い目)




