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黒の怪奇譚  作者: 黒羽冥


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オカ研夏合宿その三。

「輝也!?輝也!?」

「輝也!?大丈夫か?」


僕は部長と共に後ろから追いついた輝也に声をかけた。

後ろを振り返った輝也の目は驚き見開いていた。


「二人とも無事だったんだな……良かった。」


そう輝也は呟く。

輝也が見たのはなんだったのだろう。

そこに居たのは美味しそうな何かを料理している老婆がいたんだ。


「なんだ……俺の見間違えか。」


輝也はそう言葉にする。

僕は輝也に聞いてみる。


「輝也?どうしたんだ?何かあったのか!?」

「いや…俺の気のせいだったんだなきっと。」

「そうなのか!?顔も青く見えるけど大丈夫か?」


部長も輝也の表情に不安気な表情だった。

ひとまず輝也も無事だったのだが。

すると。

先程の老婆が僕達に気づいたのか声をかけてくる。


「ほっほっほ……夕飯にはまだ早いんでな…そうじゃ……この宿の露天風呂にでも行ってみてはどうじゃ?」

「あ、はい……じゃあお言葉に甘えて。」


老婆に笑みを浮かべながらそう返す部長。

そして僕達はひとまず風呂へと行く事にした。

◇

◇

◇

輝也と僕も露天風呂へと向かう。

すると…そこは民宿から少し川へと降りていった所に露天風呂はあったんだ。

建物から薄暗い小道を歩いていく。

一人でこの小道を歩くのも…ちょっと気持ち悪いかもしれない。

涼子さんは大丈夫だろうか。

僕がそう考えていると。

カラン…チャポンっと湯の音が聞こえてくる。


(これは…………涼子さんっ!?)


僕はそう頭に浮かぶ。

すると僕達の目の前にも湯が見えてきたんだ。

暗がりにポツンとあった露天風呂。

男女に別れてはいるがどうやら壁で仕切られてはいるようだ。

◇

◇

◇

「ふぅぅ………気持ちいいな…………」

「ああ……最高だよな。」


僕達も湯につかりその心地良さにまったりとする。

すると隣りから声が聞こえてくる。


「仁!?輝也!?来たのか?」

「はい!気持ちいいですね部長。」

「部長?ここへ来る途中の小道大丈夫でしたか?」


僕は小道の怪しさにやはり気にかかったんだ。


「ああ……確かに薄気味悪い道だったがな。」

「ですよね……そういや僕達以外誰も宿泊者いないんですかね?」

「ああ……民宿でもあるから中々利用客も少ないのだろうな。」

「そもそも部長はどこからこの民宿の話を見つけたんですか?」


すると。

部長が語り始める。


「実はこの村はな…とあるいわれがあってな…」


僕達は仕切り壁越しに部長の話を聞いたんだ。

◇

◇

◇

海鳴村。


海に面したこの村は昔から漁師で生活を支えてきたのだ…しかし大荒れがくるとやはり漁にも出れず貧困の生活を余儀なくされる。

そんな困窮の中…人柱を立て大荒れを収める…などという事をこの村ではするようになったという。

すると不思議な事に海は鎮まったとされた。

しかしそれから事ある事に人柱がこの村では行われ…この村はその度に生贄を。

それから数百年、今ではそんな風習は無くなったが…この村では…その時の怨念達が未だに彷徨うらしく…この村は今は過疎化したらしい。

◇

そう話を終えた涼子さん。

その時。


「きゃあああーーーーーーーーーーーっ!?」


涼子さんの叫び声が辺りに響いたんだ。

◇

◇

◇

お読み下さりありがとうございました。


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― 新着の感想 ―
[良い点] この先も拝読していますが、それでも未だに輝也君が見た光景が、本当に勘違いだったのか疑ってしまっています……。 そうしてゾクゾクしていると、部長×温泉のシチュエーション!別の意味でどきどきし…
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