ー梅雨の章ーその四。
太助はそこにいた。
目の前には古びた小屋があった。
そして太助は田栄に招かれ小屋の中へと入っていく。
するとそこには……恐るべき何者かの影があった。
太助の目の前には痩せ細りガリガリの姿の三名の幼子の姿があったんだ。
『こ、これは!?』
すると声をかけてきたのは後ろからきた田栄だった。
『クククッ……………この子達は僕とさえの子ですよ………僕とさえは愛し合いこんなに僕の子供を産んでくれたんです。』
『で、田栄…………お前はそれならどうしてこんな所にわしの孫でもあるこの子達がこうして虐げられているのだ!?』
すると背後にいた田栄は何かを鳴らす。
そしてなんと部屋のおくから数名の男達が現れる。
『な!?なんだ一体!?田栄!?』
田栄は笑う。
『クククッ……ここでお前にいい事を教えてやろう………………』
『な!?なんじゃ一体!?これはどういう事なのじゃ!?』
わしの身体は一瞬で羽交い締めにされる。
『クククッ…太助よ……お前の娘はわしの子を沢山産んでくれたのだがな…………いかんせん子供にばかり目を向ける女だった………何人子供を産ませても決してわしに愛情を見せたことは無かった………これどういうことかわかるか!?』
田栄は大声で叫ぶ。
わしは声も出せず逃れようとしてみるが全く歯が立たない状態。
『ぐっ……………………』
『そんな女はわしの欲する嫁ではない…………だからこうして子供達もろともここへ閉じこめ心から支配してやろうと思ったが……そんな時あの女いってしまった。』
『ぐっ!?で、田栄ーーーーーーーーっ!?良くもわしの娘をおおおーーーーーーーっ!?』
わしは最後の力を振り絞りかかろうとした。
その時。
ドンッと言う鈍い音とともに背中に強烈な痛みと熱さを感じる。
『ぐああああっ!?』
わしの身体は床に転がる。
『太助え、絶望を教えてやる。』
そういった田栄が合図をすると一人の男がわしの孫であろう子を目の前で刺したのだ。
『ああああっ!?ング。』
『きゃあああーーーーーーーーっ!?』
二人の孫は刺され、そして動かなくなる。
『うあああああーーーーーーーーーっ!?』
太助はそしてトドメを刺され………………。
絶命してしまったのだ。
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