3.最近のドラゴンはでかくなれるんだ
赤色のドラゴンと目が合った。
俺は僅かな可能性にかけ、ドラゴンとは逆方向に逃げた。
―――ドゴンッ
その音と共に、地面は揺れたような気がした。
攻撃か!? と思い、振り返りたくなったが、その衝動を抑え、駆け続けた。
しかし、先程の音から一向に攻撃が来ない。
流石に不思議に思い、安全だと思う位置まで来て、警戒しながら後ろを振り向く。
·····こけている。
その巨体は、幾多ものテレビを犠牲にして横に倒れている。
何とか立とうとするが、足をジタバタさせるだけだ。
しばらく呆気に取られていたが、これはチャンスだと思い、そろりそろりと近づく。
『助けてくれないか?』
脳に直接響くような声が聞こえる。びっくりはしたが、俺はこれが何か知っていることに気づいた。
『助けた場合、俺に利益は?』
『驚いた。矮小なモンスターが念話を使えるとは·····』
未だに足をバタバタさせていたのをピタリと止め、俺に驚く。
『そんなことより、俺の利益を教えてくれ』
『お前を襲わない』
『そうか、じゃあな』
このドラゴンはアホなのだろうか。自分で起き上がれないから助けを求めてるのに、提示する利益が俺を襲わないだなんで。
俺が助けなかったら襲われることは無いんだよ。
『いや、待て待て。僕を助けてくれればお前の仲間になる、これでどうだ? 他のモンスター共をけちらかしてやる』
僕? こいつ、子供なのか? うーんいきなり威圧感なくなったな。
『僕ってことは子供なのか?』
俺は自分も子供だと言うことを棚に上げ、言う。
『僕なんて言ってない! 我だ! 我は次代竜王、ルセス・フェントロラだッ!』
言繕うとするが、横に倒れている状態で言われても凄みを感じない。
『まぁいいや、助けるよ』
こういうタイプは馬鹿正直だから大丈夫だろう。という確信のない理由だが、信じようと思う。
想像するに、この家電量販店の中も、外もモンスター―――敵だらけなのだろう。
しかも、俺は今、人間じゃない。だから人間も仲間じゃないんだ。つまり、仲間がいないのだ。仲間がおらずに敵だらけと言うのは嫌だ。死にたくない、というのもあるが、1人で戦い続けるのは寂しいだろう。
『それにしても、おれはどうやって助けたらいいんだ?』
こんな巨体、起き上がらせるのは無理だ。
『少し待て』
そう言うと、ドラゴンはみるみる小さくなっていった。
俺より少し小さいくらいにまでなった。
『で、俺は何をすればいいんだ?』
『これなら起こせるだろう』
『·····もしかして、これでも起き上がれないのか?』
『·····うるさい』
恥ずかしそうに言う。
いや、確かに起きずらそうな体してるけど·····えぇー。
『助ける条件、2つだけ追加していいか?』
『いいから早く助けろ』
『1つ目、俺がお前のことをルセと呼ぶことを許す。2つ目、ルセは素で喋る』
『助けてくれるならいいぞ』
『いや、それ素じゃないだろ』
『素だ』
『嘘つけ』
『本当だ』
『助けてやらないぞ』
『これが素だって言ってるじゃん! 僕は父さんの跡を継いで竜王にならないといけないから、父さんの喋り方練習してるんだよ!!』
『それなら、いっか』
妥協をして、助けてやった。
『これからよろしくな』
『あぁ』
『喋り方』
『これくらい許してくれよ!』
ここに、元人間の狼と竜王の子の、奇妙なバディが誕生した。
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