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2.狼(犬)になっちゃった

周りには、死体と恐らくその死体の持っていたであろう血が飛び散っている。


どうなってんだこれ·····


ショッキングな光景に、意識も急速に覚醒を始める。


とりあえず、現状の確認をしよう。

まず、家を出て駅へと·····いや、ここら辺はいいな。今日、おかしなことが起き始めたのは駅に着いてからだ。駅に着いて幻覚、ではないな。ガチャ画面をいじっていたら、11連ガチャが出来て、その時に後ろから悲鳴が聞こえて―――そうだ、声に従ってでっかい家電量販店に入ったんだ。そしたら、モンスターが来た! て声も聞こえて、ガチャ結果の狼化を押したんだ。


まぁ、結果はもう分かってるよ。狼になってる。

あの時、モンスターが来たという言葉に気が動転していたのが分かる。俺はいつもはもう少し、慎重なはずだ。


狼·····いや、犬だなこれ。


狼と言うには、少し、迫力が足りないと言うかなんと言うか·····


新しい自分の体を、電気が通ってないのか真っ黒の大画面テレビで見る。


灰色と白色の体色をした狼っぽい犬が映る。

狼っぽいとは言えても狼とは言えない可愛らしさを持っている。


数分間じーっと新しい自分の体を眺めていたが、飽きた。効果時間が切れて、人間に戻れるかなとも思っていたが、戻れる気配もない。

期待はしないでおこう。


次にガチャの確認をする。

とりあえず、狼化の時みたいに全部押す。いや、狼化で痛い目あったけどさ、行動しなければ何も始まらないじゃん。だからこれは仕方ないんだよ。

·····よし、自分への言い訳終了。


全部押してみて分かったこと、ガチャで手に入るのは、スキルとアイテムがある。

スキルは今回で言うと、空中歩行、身体強化、念話だ。この3つ、狼化も合わせて4つは、ガチャ画面を押しただけで体の中に何かが取り込まれるような感覚になった。その"何か"がスキルなのだと思う。

そして、それ以外はアイテムだ。

スキルとアイテムという名前は俺が勝手に決めた。別に他の人に言うこともないだろうし大丈夫だろう。


それにしても、死体ゴロゴロ転がってんなー。


死体を見ても何ともない自分にびっくりだが、それより死体が邪魔だ。隙間なくびっちりと言う程でもないが、通行の邪魔にはなる。モンスターが来た! という声を信じるに、これはモンスターにやられた人の死体なのだろう。

モンスターは人間を食べないのか、食料庫代わりにしているのかは知らないが殺したなら責任を持って迅速に食べて欲しいものだ。


今の俺は、ぎりぎり大型犬と言える程のサイズで、人間の頃のように飛び越えながら行くことも難しい。周りに置いているガチャの産物も所狭しと並べられている。


それにしても、モンスターが見当たらない。これだけの人数を殺したのだからそれだけたくさんいると思ったんだけどな·····

ガチャで得たメロンパンをむしゃむしゃと食べながらそう考える。

ちなみにこのメロンパン、これまでのどのメロンパンより美味い。俺がこれまでいいメロンパンあまり食べてなかったからかもしれないけど。


「グゥォオオオオオッッ!!」


体の芯まで震わせるような雄叫びの主は、天井スレスレまである、赤色のドラゴンだった。


モンスターどこにいるんだろうな、て思っただけで、来てとは言ってないんだ·····

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