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1.周りに死体と血が、飛び散ってる! 怖い!

「何これ」


朝、目を覚ますと目の前に1日1回無料! と書かれた浮いた板が目の前にある。


「すり抜けた·····」


試しに板に触れてみるが、手はすり抜ける。

幻覚だなこりゃ、最近疲れが溜まってんのかな·····


「邪魔だなー」


幻覚だとしても前の物が見ずらい。そう思うと、その幻覚は消えた。


·····なんだったんだろ


お腹が空いたので、下に降りた。

そして、そのままいつも通り準備をして学校へと向かう。




次の日の朝、目を覚ますとまた同じものが見える。

心配になってきた。


本当にストレスを抱えすぎているのだろうか·····いや、待てよこれが俺だけに見えないと決まった訳ではない。


そう思って幻覚を見えたままにしながら学校へと向かうことにした。家族に聞くのはなんか恥ずかしい。


「なぁ、俺について何か気づかないか?」


そう言って同じクラスのやつに聞く。


「うーん、あ! 髪切ったか!?」


「おー、大正解ー!」


んな訳ないだろ、最後に髪切ったの先月だよ。


まぁ、他のやつには見えないってことが分かったな。

とりあえずこれは幻覚で確定だ。


しばらく見せないでくれよ·····

毎朝幻覚を見るのはストレスが溜まっていると思わされて、流石にきつい。




「ふぁーあ」


朝、目を覚ます。顔を洗いに行くところで気づいた。

幻覚が消えた·····!


昨日早く寝たからかな。少しテンションが上がった。




それから約1週間幻覚が見えなかったが、日曜日の今日、目を覚ますとカムバックボーナス! と書かれた板の幻覚をまた見た。


邪魔だなーと思いつつも、今日は用事があったから気にしないようにして支度をして、家を出る。


電車に揺らされること数時間。目的地の最寄りの駅に着いた。目的地は動物園。チケットで当たってしまい、せっかくならという庶民的な考えで来た。


ちなみに幻覚はまだ見えてる。そろそろ本格的に邪魔だ。

それに、せっかくの動物が見えずらくなってしまうのではないか?


そう思い、どうにか消そうと、歩きながらスマホを触る振りをして、色々試してみて、無料11連に触れた瞬間、ピカっと光った。ガチャのエフェクトのようだ。てか本当にこの幻覚ガチャみたいだな。


ガチャ結果も出た。


SR 空中歩行

C 将棋盤

C カルタ

R 身体強化

SR 念話

C メロンパン

C 電球

C 無名の絵

C カップラーメン

UR 狼化


何なんだよこれ。

空中飛行とか意味分からんだろ。


狼化がURって·····いや、まぁ狼が好きな人には確かに価値があるかもしれんけど、これ俺の幻覚だよな。俺そんなに狼好きな訳でもないんだが。

動物園につられているのだろうか。


「おい!! 逃げろー!」「きゃぁあああッッ!」「おいおい、なんだよあれ」


後方から悲鳴と怒声が聞こえる。何が起きたんだ?


確認したかったが、後ろから押され、前に歩くことを余儀なくされた。


この時間帯はいつも人が多いのか、駅の中は人でいっぱいになっている。


「くそ! みんなそれぞれ散らばれッ!!」


だから何なんだよさっきから。何があったかぐらい教えてくれよ。


そう思いながらも、後ろから絶え間なく聞こえる悲鳴により、近くにあった大きい家電量販店へと向かった。

が、そこも人がいっぱいになっていた。


どうなってんだ。


良いことの無い今日に心の中で舌打ちをして、スマホで調べる。

明らかに今日は何かが起こっている、そう思った。


だが、スマホで調べるよりも先に、男の声で今日の不運の原因が分かった。


「来たぞ! モンスターだ!」


は? 今、モンスターって言ったか?


どういうことだよ。いつの間に現実はファンタジーになったんだ。


だけど、それが本当ならこの幻覚も理解できる。きっとこれは戦う力をくれる『ガチャ』なんだ!


それならURの狼化は超強い能力ってことだな!


11連無料! の時と同じようにこの板を押せばいいのかな。そう思い、狼化のところを押す。


「うがぁあああッッ!!」


すると、まるで体を作り替えられるような激痛に襲われる。


あ·····これ、やばいやつだ·····


自分の肉体と精神の繋ぎ目が細く、暗闇に包まれるような感覚を覚えながら、意識を手放した。



目を覚まし、薄らとした意識で周りを見れば、死体と血があちこちに飛び散っていた。


「わん?」


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