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枯れ葉の手紙を
風が吹いたとき
わたしは生きていた
高い街路樹からはらり、はらり
枯れ葉の群れがやってきては
前へと過ぎ去っていく
自由な風のように
そしてわたしも過ぎ去っていく
そんな時を生きている
ただ、この経過していく時のなかで
喜び、悲しみ、憤り、時には笑い合いながら
枯れた葉のようにいつか大樹を離れて
もっと大きな空へ
向かうときが来るのだろう
けれどそれは今すぐじゃないから
時は許されているから
手を伸ばす
枯れ葉はつかめそうで
なかなか簡単にはいかなくて
手のひらを閉じてみた
何事もなかったかのように
なんだか笑いたい気分になって
ああ
空は本当に青いな




