92/100
月下の木霊
二月の宵の月あかり
道は連なり林の奥へ
お社のある鳥居の奥へ
誘われていく
風はない、梢に小鳥
影は伸びて、花梅は咲いた
月の姿の移り変わりに
咲き誇るのはいつからいつまで
月影、冬至、紅千鳥
紅白見事に咲き誇り
白加賀、東雲、枝垂れ梅
薄紅色の花霞
月あかりの下
霞たなびく
花の饗宴、今宵はいずこ
満ちては引いて、また満ちる
月の光の強かさ
思い出すのは去年のこと
同じように見た花梅の古木
雪のように白い花が
枝を埋め尽くして
嵐のような夜が明けると
翌朝には数輪、落ちていた
月夜に花の香が漂っている
紅梅の、近いことを知って
探した




