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冬が来た
冬の始まりは白い空から
風の冷たさが降りてきて
地上に舞う
葉の落ちた林に
枯れた池の水面に
池のなかを雲が浮かぶ
晴れてきた
早速、自転車に乗って
陽だまりの道を
空色を探しに行く
白鷺はいるかな
やすらぎのひととき
きみは、いつも通りに羽をたたみ
ときどき身じろぎしたり
飛んでみせたり
ぼくはもう、自由だ
何にもとらわれない
どこにも行ける
どこへだって行けるんだよ
望みさえすればね
そんなこと、思っているのかな
どこか、あかるい
見たことのない世界へ
もしそんなものがあるなら
行ってみたい
そうして思い描いているだけで
白鷺みたいに、飛んでいける気がして




