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夏の思い出に
台風の後の空は
暑さはそのまま
積乱雲の白さが眩しい
夏空が戻ってくる
南国の風を連れて
大気が動いていく
さわさわと
風の動き、自然の音が広がっていく
どこに行くのだろう
瞼を閉じれば
音の景色を辿って
どこまでも行けそう
太陽の熱を感じて
目を開けると夏空が眩しい
葉がそよぐのを見ながら
日陰を探して
大きな街路樹の下
涼んでみる
地上に葉の影が揺れている
不思議と落ち着く
自然の揺らぎ
見上げると
緑の照葉樹の葉が太陽を浴びて
気持ちよさそう
焼けつくような日差しにも
負けないで
今、動いている
雲も、人も、木陰も、道端の花も
皆、同じ時を見ているのかもしれない
今だけに許された
贅沢な時間として




