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雲の彼方へ
一日、空の動きを見ていると
地球とともに生きている
そんな気分になれる気がする
午前の陽射しを浴びて
新緑の木々が輝く
緑の若葉越しに、透ける光は
宝石のようにきらきらして
初夏の風に揺れる葉の先に
花が散らばって咲いている
ただ咲いているだけ
微笑みながら
初夏の陽射しは眩しくて
雲越しに見るのもいい
変わっていく空の青さを見ていると
爽やかなソーダ水の色を思い出す
公園でも、住宅地の塀越しにでも
空はいつでも広がっている
地には街路樹の影が
涼やかに揺れている
夕方になり
夜になり
宵空に星が灯るようになると
何か、大切なことに触れている
そんな気分になる時がある
時計の針の巡っていくのは
明日に備えていくため
深夜の静かさは
沈んでいく眠りのため
星々は夜空に瞬いている
誰も見ていなくても
数億年もの時間をかけて輝いている
永遠の夜を超えて
朝が来る
日が昇る前にあるのは
静謐な時間
鳥たちは飛んでいく
どこかへ
やがて一日のカーテンが開けられて
朝の光が稜線を描いていく
不死鳥のように、朝日が昇る
繰り返していく
地球がある限り




