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雨上がりの夕空からの手紙
『雨上がりの夕暮れ』
雨上がりの夕暮れは
湿った空気がやわらかい
青い空を 雲が駆ける
早い風に乗って
雲が駆ける
夕陽は沈んでいく
空は変化していく
一日が終わり
夜へ向かうまで
そんな、瞬間の、
特別なひとときがある
一番星が美しく
瞬いては隠れ
隠れては瞬く
そのとき星のような青白い花は
野原に道をつくる
それは銀河の
天の川のよう
花は開いたばかりで
風に揺れている
『夜明けの雲』
夜明けの風はまだ吹くには早すぎる
東の空は明るくなってきた
明けの明星が金色に輝いたなら
そろそろ夜明けは近づいてきている
朝、起きたらテントをたたんで
出発の支度をしよう
でも、今はまだ早いから
もうひとねむり
あと少しだけ




