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花一輪
桜が一輪、空の下
風に揺られて何を想う
春の訪れ、小鳥のさえずり
やがて来る日の予感に想う
陽の光の降るのにまかせて
一陣の風が吹いたなら
この花びらを新しい風に乗せて
水色の空に浮かべてみたいと願う
大きな空のそのなかに
ひらひら舞って舞いあがり
青の世界を旅したあとは
野をゆく小川に降りてゆく
ひらひら舞って舞い降りて
やがて薄紅の水面となって
いつか誰かの手に渡り
栞などにもなれるでしょうか
桜が一輪、空の下
願いを風に乗せてみる
揺られる風に想いを託して
花びら一枚、離れていった
それは雀の鳴いている
ある春の日のことでした
桜の開花宣言がありましたので作ってみました。




