4/100
雨上がりの夕暮れ
雨上がりの夕暮れ
遠くの方に虹がかかっている
はるかな地平線までは街があって
道沿いの草原には白い花をつけた木々が
雨に湿った幹を夕陽にさらしていた
木の肌に手を触れてみれば
影が伸びて
わたしは木と一体になる
そうして暮れていく空を
見上げていると
夏を呼ぶ風が吹いて
わたしは
懐かしいあの人に呼びかけたいと
ずっと前から思っていたことに気づいた
もしもあの人が
虹を渡って来てくれたなら
花を一輪持って迎えよう
花はいつか小鳥になって
虹の架け橋のあの人に向かって
飛んでいくかもしれないから
嵯峨信之という詩人さんの詩を読んで、
なんとなくです。わたしのは到底及びませんが。