39/100
詩の泉が枯れてきたら
詩の泉が枯れてしまう
そんなときもあるのです
詩の小鳥が飛び立ってしまったのなら…
自然のあるところへ行きましょう
風の吹く街を超えて
空の広いどこかへ
花が咲く草原を探しに行きましょう
誰に言われたわけでもなく
行きたい場所へ
小鳥は優しい瞳のなかに
羽根は白い手の上に
春の陽射しを求めて
飛んでいったのでしょうか
探して、探して、見つからなくて
失意のうちに帰ってきたら
そうしたら小鳥はお家にいたのです
そんな話がありましたね
本当はね、小鳥たちはどこかで
優しい娘さんの白い手に
柔らかな羽にくるまって
安心しきっているのです
ですから、見つけたとしても
そっとしておいてあげましょう
そうしたら
春うららかな日に
泉のそばで空を見ていれば
また肩に乗りに
戻ってきてくれるかもしれません




