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岬の先の白い灯台から
岬の先に、白い灯台が見えた
朝もやの神聖な光の中で
海面は凪いでいる
波は静かに岩礁に乗り上げては
白い泡になっていく
夜から朝に変わっていく空を
海鳥たちが飛んでいくのが見えた
岬に向かう道を行くと
見渡す限り空ばかりで
その道を歩いていると、まるで別世界の
空のなかを飛んでいくようだった
走ってみた
跳ねてみた
飛べなくても飛べているのは
とても気分がいい
そうして着いた灯台の
階段を登り切った先には
海と空が、朝の光に輝いていた
水平線はゆるやかにカーブを描いて
海は遠く遥かに先まで広がっていて
あの先に行ってみたいと思う
翼を広げて風を切って
そうして
いつか南半球に行きつくだろう
そうして
遥かに先に行って
進んでいけばいつか
この背中側から追いついてしまうという
そんな不思議を感じた




