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春の夜に
陽が落ちて、それから
夜が満ちていく
落ちた葉の上に
森の湖の水面に
春の夜空に
絹雲が流れて
トワイライトの時間
星が輝き始める
一番星がきらめく頃
空は宇宙を映し出す
昼とは違う時間が巡り始める
ふくろうは鳴いて
月は輝きを増した
手を伸ばして星をひとつ
星の木から摘み取ると
手のひらには小さなひかり
きらきらしたひかり
金平糖みたいに色とりどりの
静かな永遠のひかり
星を夜空に放って
流れ星になったら
星屑の雨が
湖に降り注いだ
夜風はさらさら
月に詩を捧げると
立ち去って
後には風ばかり