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秋からの手紙
黄金の葉が降っていた
はらり、はらり
木の葉が陽に透けて
きらきらした光が風と遊ぶ
木の梢から風に揺られて
あたたかそう
葉っぱたちが笑って
あったかいねって
そんな声が聞こえてきそうな
晴れた秋の日の午後
いつかの日の記憶が重なって
昔見ていた景色を、ひとつずつ思い出していく
記憶の引き出しを開けて
宝箱を開けるみたいに、そっと
ダウンジャケットを着込んで
日蔭のベンチに座って
風の音を聴きながら
いつまでも
幸せの色を見ていた
2022.10.26
昔、通っていた学校に向かう坂のところに大きな木があって、いつも眺めていたのを思い出したのです。




