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初夏みたいな午後でした
初夏のような昼下がり
歩いていると
軽く汗をかいて
まだ四月なのにと思う
空はもう五月の風が流れて
早めの鯉のぼりをはためかせながら
さわやかに通り過ぎていく
道端の花は風とおしゃべりしている
わたしは昨日咲いたのよ
藤だってきれいだわ
季節はいつだって移ろうものよ
ねえ、あなたはいつ咲くの?
風は、そんな日は来ないと思うよ
と面白そうに答えて
じゃあねと去っていった
南から来て、東の方へ
すっかり遅くなった夕暮れ
街には鐘が鳴って、鳴り終わる頃には
昨日の雨でできた水たまりには
いつのまにか夜が映っていた