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朝靄の山桜から



夜明け前

東風が吹いて

桜の梢を通り過ぎていった



黎明の空には星がひとつ

ちいさな灯りは頼りなく

木々は青い影に沈みながら

夜が明ける時を待つ

夜色の霧が流れて

木の葉の上に雫がひとつ

水たまりに波紋が生まれた



東の空は朝の夢をみる


遠くで山鳥が鳴いた

一羽、また一羽


空色が変わっていく

宇宙の色から透明な蒼に


朝霧のたなびく谷の向こうには

桜林が広がり、鶯が渡る



朝の風が吹く頃になって

晴れた空を暁が照らす


朝の光が木々に影を落として

湖の水面にさざなみを生み


桜色に染まった山々から

薄紅色の風が吹いて

花は空に舞っていく



桜吹雪のなかに立って

手を伸ばして触れたひとひらは

そうして空に地に

さらさらと還っていった







桜の季節に奈良の吉野山に行ったときの記憶から。

実際は昼間に行ったので、とても混んでいて、とても観光地でした。

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