違うのが出ても困るんだけど!?
地下ではさまっていたシャイリーンさんを助け出し、地下の中を探索し始めた。
仲間達の連携で魔物を順調に倒し、これなら僕は何もしなくてもいいやと油断しまくっている。
そして何十体か倒した頃、フデが出口らしき光を発見した。
しかしその道の天井には多くの魔王の使いが張り付き僕達を見つめていた。
『おうわああああああああああああ!』
僕とフデは天井にある無数の目玉に恐れをなした。
それが一斉に近づいて来ると、巨大な魔物に食べられるような感覚になる。
一度体験して分かっていても怖いものは怖いのだ。
「引きつけるねー」
何度も見たスキルを使用し、シャイリーンさんが敵を引き寄せる。
でも今回ばかりは数が多すぎて、全てという訳にはいかないようだ。
フデは剣をふっているし、僕を護ってくれる人は居ない。
「あとは任せまあああああああす!」
だからランタンを置いて思いっきって出口へ走り出した。
魔物にぶつかったり攻撃を食らったりして明るい場所へと出たのだけど、ここは外という訳ではないようだ。
大きく広く造られたドーム状の広場らしい。
壁に繁殖した植物が光っていたようだ。
野草に詳しくなった僕から見ると、なんとなく食べられそうな雰囲気ではある。
でも知らない植物は毒があるかもしれないから注意が必要だ。
パッチテストでもして確かめるのもいいかもしれない。
まあそれは後でやるとして、ここには魔王の使いが入って来ないようだ。
追って来た奴も途中で引き返している。
何か有るのかとよく見ると、中央部に大きく膨れ上がった桃色の丸い物が埋まっていた。
どう考えても植物ではないし、触ってはいけない物だと感じる。
他に何も無いからこれのせいとしか思えないんだけど。
「近づくのはやめとこう」
あれが魔物なら魔王の使いより強いのは確実だろう。
まあ念の為に結界でも作っておこうと、この広場の四隅に鉄棒を突き立てた。
使うべきものは……。
「結界の内にいる仲間の値を集めよ……アディション・フィールド」
これは防御力と体力と魔力を仲間から奪うものだ。
結界に入れば勝手に数字が落ちて来るだろう。
「二人共こっちに来てください、ここが安全地帯です!」
大声で二人に呼びかけると。
「――……ぅぉぉぉぉおおおおおおおおお!」
「ヒャッハー!」
僕の声を聴き分けて、こっちに向かって来たようだ。
「なんだ、出口じゃないのか。まあいい、ここからは一方的にやらせてもらうぞ!」
そして敵の来ないこの広場で、閃光を飛ばして攻撃を始めている。
先に居る魔王の使いを倒し狩りは進む。
「きたよー」
シャイリーンさんの姿も見えて一安心したのもつかの間、動きに引きずられるように魔王の使いもついて来ている。
フデの攻撃で何体かは倒したが、その一体がこの広場に入ってしまった。
それがトリガーになったのだろう、後方からザーっと砂が流れるような音が聞こえて来る。
絶対あの丸い奴だと振り返ると。
「のわあああああああああああああ!」
ヌチャリとヨダレを垂らした巨大ミミズが現れていた。
僕達が両手両足を一杯に広げても口の幅に届かないぐらいデカイ。
そんなミミズがうねりながら動き、狙うのは……。
「てえええい!」
フデが攻撃していた一体だ。
僕の横をすり抜け、恐ろしい感触が肌にふれる。
そのまま口を開き、魔王の使いを飲み込んでしまった。
当然フデの放った攻撃はミミズの体にぶつかり深い傷を負わせてしまう。
「おわッ、なんだこいつ!?」
尻もちをつくフデ。
ミミズはそれを見下ろすように、鎌首をもたげて口を開く。
「食われてたまるかあああああああ!」
「オォウ、俺っちもミミズの餌になるのは嫌だぜぃ。掘り返されるのに何百年かかるか分からないしなぁ、フッヒャー!」
直ぐに立ち上がって逃げ出すフデだが、ミミズの動きの方が数段素早かった。
「ぎょああああぁぁぁぁ……」
地面の土ごとフデを丸のみにして、土の中を移動して行く。
そしてまたこの広場の中央部分に丸い物体が現れた。
「…………」
これはもう成仏してしまったのだろうか。
いや、フデは魔王だったし、まだ生きている可能性もあるはずだ。
「助けないのー?」
正直こんなものと戦えるのか疑問である。
いっそここから逃げるにしてもフデの攻撃力は必須なのだ。
それに、剣を無くしたとなったらどうなるか……。
考えるのも恐ろしい。
「こうなったら……こうなったら!」
僕は必死に考えを巡らせる。
「こうなったらー?」
シャイリーンさんは体を横に倒し、首をかしげている気がする。
「え~っと……」
今この場にある数値は百二十になっている。
フデはまだ生きている証拠だろう。
でもこの数値を使っても全然足りない気がする。
僕の見た感覚だと、速度に全部回しても足りない。
力に全部回したところで太刀打ちできない。
防御力だけだと食われてしまうから無意味。
かといって、分割してしまっては勝つのは無理だ。
例えツキコさんが近くに居て百八十の数値があったとしても、ミミズには届かなかっただろう。
考えた方法は一つ。
この部屋の中に魔王の使いを呼び込んで、電波攻撃を数値に変換する方法だ。
「よし決めました、この部屋に魔王の使いを呼び込みましょう。結界の内なる音よ、数値となって強さを示せ……ナンバーズ・フィールド!」
方針を決め呪文を改めて唱え直す。
電波はたぶん音だと思う。
「うん、じゃあ、行って来るねー」
シャイリーンさんはそれに従うように道を進んで行く。
残っている数値はぜんぶ速度に回すとしようか。
クー・ライズ・ライト (僕)
グリス・ナイト・ジェミニ (双子の男の子)
リューナ・ナイト・ジェミニ(双子の女の子)
ミア・ミスト・レイン(元賞金首)
アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)
グリア・ノート・クリステル(お姉さんの相棒)
コーディ・フル・フラグメント(獣使い見習い)
ランズ・ライズ・ライト (父)
ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)
フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)
スラー・ミスト・レイン(僕の上司)
ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)
シャイリーン・ブラック・ダイヤモンド(防御職の人)
ナオ・ラヴ・キリュウ(リセルの弟でディザリアのチームメイト)
デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)
ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)
リセル・ラヴ・キリュウ (ローザリアのギルド受付)
ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)
デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)
フデ = インフェニティ―・ダーク・ロード・ウミノメ・キング・ジョージ四世ファイナルモード・ディスティニー(没落魔王)




